「筋トレをしたほうがいい」と言われても何をする?シニアが家で始めやすい5つの運動
最近、「本当に筋力が落ちてきたな」と感じることが増えました。
年齢を重ねると筋力が落ちやすいとは聞いていましたが、自分でそれを実感するようになると、やっぱり少しは筋トレをしたほうがいいのかなと思います。
でも、私にとって「さあ、今から運動しよう!」と時間を決めて始めるのは、意外とハードルが高いことです。
そこで最近は、料理をするためにキッチンに立ったとき、手が空いている少しの時間にかかとを上げ下げしたり、おかずを食卓に運んだついでに椅子につかまって片脚を後ろに伸ばしたりしています。
もちろん、火を使っているときや包丁、熱い鍋を扱っているときにはしません。安全に立っていられるときに、ほんの少し動かす程度です。
でも、こんな動きも筋トレになるのでしょうか。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者にも筋力トレーニングを週2~3日行うことが推奨されています。
筋トレというと、ジムで重いダンベルを持ち上げる姿を想像しがちですが、スクワットのように自分の体重を負荷として利用する運動も筋トレに含まれます。
特別な運動器具をそろえなくても、自宅でできることはあります。
そもそも「筋トレ」って何をすればいい?
厚生労働省の資料では、筋力トレーニングは、特定の筋肉に繰り返し負荷をかけ、筋力の向上を図る運動とされています。
スクワットなら自分の体重が負荷になりますし、ペットボトルを持って腕を動かせば、その重さを負荷として利用できます。
では、手をグーパーするだけでも筋トレになるのでしょうか。
手や指を動かす運動にもそれぞれ目的があります。ただ、年齢とともに全身の筋力低下が気になり、「筋トレを始めたい」という場合は、手だけではなく、脚やお尻、腕などの筋肉にも負荷をかける運動を取り入れることが大切です。
そこで、自宅で無理なく始めやすいものを5つに絞ってみました。
家で始めやすい筋トレ5つ
1.椅子を使ったスクワット
椅子の前に立ち、座るようにゆっくり腰を下ろし、また立ち上がります。
主に太ももやお尻を使う運動です。
深くしゃがむことより、まずは安定した姿勢で行うことを優先します。椅子を使う場合は、キャスター付きではなく、簡単に動かないものを選んだほうが安心です。
2.かかと上げ
椅子の背など安定した場所につかまり、かかとをゆっくり上げて、また下ろします。主にふくらはぎを使います。
これは私が普段の生活の中でも取り入れている動きです。
キッチンに立っているとき、少し手が空いたら、思い出したようにかかとを上げ下げしています。
わざわざ「今から運動する」と構える必要がないので、私にはこの方法が合っているようです。
ただし、料理中に行う場合は安全が最優先です。火を使っているときや、包丁・熱いものを扱っているときは行いません。
3.壁を使った腕立て
床で腕立て伏せをするのは大変でも、壁に手をついて行う方法なら負荷を調整しやすくなります。
壁に両手をつき、体をまっすぐに保ちながら、肘を曲げて体を壁へ近づけ、ゆっくり戻します。
胸や腕などを使う運動です。
足元が滑りやすい場所は避け、肩や腕に痛みを感じたら無理に続けません。
4.ペットボトルを使った腕の曲げ伸ばし
水を入れたペットボトルを持ち、肘をゆっくり曲げて戻します。
家にあるものを重さとして利用できるので、特別な器具がなくても始められます。
ただし、最初から重いペットボトルを使う必要はありません。重さを増やすことより、自分に合った負荷で安全に動かすことを優先します。
ちなみに私は以前、いわゆる「五十肩」で腕を上げにくかった時期がありました。
そのときは、ペットボトルを持って腕を前や横から上げたり、タオルを使って腕を上げたりする動きを続け、私自身は少しずつ動かしやすくなった経験があります。
ただし、これは今回紹介している筋トレとは別の、私自身の体験です。「五十肩にはこの運動をすればよい」という意味ではありません。
肩に痛みがある人や腕を動かしにくい人は、自己判断で負荷をかけず、必要に応じて医療機関などに相談してください。
5.椅子につかまって脚を後ろに上げる
安定した椅子などにつかまり、片脚をゆっくり後ろへ伸ばして戻します。お尻や脚の後ろ側を使う運動です。
これも私は、生活の途中に取り入れることがあります。
食卓におかずを運んだあと、そのまま椅子につかまって左右の脚を少し動かします。
運動だけの時間を作ろうとすると面倒に感じても、「ここまで来たついで」なら意外とできます。
脚を高く上げることが目的ではありません。腰を大きく反らさず、無理のない範囲で動かします。
5つの筋トレを簡単に確認
| 運動 | 主に使うところ | 家で行うときのポイント |
|---|---|---|
| 椅子スクワット | 太もも・お尻 | 安定した椅子を使う |
| かかと上げ | ふくらはぎ | 椅子などにつかまる |
| 壁を使った腕立て | 胸・腕 | 滑りにくい場所で行う |
| ペットボトル運動 | 腕 | 軽いものから始める |
| 脚を後ろに上げる | お尻・脚 | 腰を反らしすぎない |
5つすべてを一度に行うための表ではありません。「今日は何をしようかな」と迷ったときの確認用として使うくらいで十分です。
筋トレは何回?毎日やらないとダメ?
ここは私も気になったところです。
「スクワットは10回?20回?毎日やったほうがいい?」と、どうしても数字が気になります。
しかし、すべての高齢者に共通する「○回やれば正解」という回数があるわけではありません。
厚生労働省の筋力トレーニングに関する資料でも、一律のノルマを決めるのではなく、個人の特性や能力に合わせて目標を設定することが大切だとされています。
まずは無理なく繰り返せる範囲から始めて、体の状態を見ながら調整することが大切です。
高齢者の筋トレについて示されている頻度の目安は、週2~3日です。
そのため、「毎日5種類全部やらなければ」と考える必要はありません。
また、厚生労働省のガイドでは、高齢者に歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上行うことも推奨しています。
ただし、この「1日40分」は「筋トレを40分する」という意味ではありません。家事や歩行などを含む身体活動全体の目安なので、筋トレの時間とは分けて考えます。
5つ全部やらなくてもいい
5つ紹介しましたが、最初から全部こなす必要はありません。
今日はかかと上げだけ。別の日は椅子スクワットと壁を使った腕立て。
そんな始め方でもよいでしょう。
厚生労働省の高齢者向け資料でも、個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組むことがすすめられています。
私自身も、「今日は5種類できなかった」と考えるより、「今日は少し体を動かせた」と考えるほうが続けやすいと感じます。
続けにくいなら「記録」を小さな楽しみにする
筋トレを始めても、次に難しいのが続けることです。
特にこれといった趣味がなければ、運動そのものだけではなく、少しずつ記録が増えていくことを小さな楽しみにするのもよさそうです。
特別なアプリを入れる必要はありません。
ノートでも、いつも見るカレンダーでも、スマホのメモでも十分です。
たとえば、
10月2日
かかと上げ 10回
椅子スクワット 5回
脚を後ろに伸ばす 左右5回
体調 ○
という程度です。
ここに書いた回数は運動の推奨回数ではなく、あくまで「こんなふうに記録できる」という例です。
細かく書くのが面倒なら、体を動かした日にカレンダーへ「○」をつけるだけでもかまいません。
大切なのは、記録を「昨日より回数を増やさなければ」という競争にしないことです。
私の場合も、料理の合間にかかと上げができたら、「今日は少し体を動かせた」と記録するくらいのほうが続けやすそうです。
ノートに○が一つ、二つと増えていく。それを見ること自体が、ちょっとした楽しみになれば十分ではないでしょうか。
痛みがある日は回数より安全を優先する
筋トレは、記録した回数を達成するために無理をするものではありません。
厚生労働省の資料でも、高齢者は個人の状態に合わせて運動し、転倒などの安全面に注意することが大切だとされています。また、筋トレでは息を止めないことも注意点の一つです。
運動中に痛みが出たときや、いつもと体調が違うときは、予定していた回数に届かなくても中止します。
持病がある人、関節に痛みがある人、運動によって症状が悪化する可能性がある人などは、始める前に医師や運動指導の専門家へ相談したほうが安心です。
「筋トレをしなければ」と考えると、私には少し面倒に感じます。
でも、料理をしている途中の安全な時間にかかとを上げてみる。食卓まで来たら椅子につかまって脚を動かしてみる。できた日はカレンダーに○をつける。
そのくらいからなら始められます。
回数を増やすことだけを目標にするのではなく、「今週も少しできた」と記録が残っていくことを楽しむ。
私には、そんな筋トレの続け方が合っているようです。
参考にした情報
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
厚生労働省・健康日本21アクション支援システム「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』推奨シート:高齢者版」
厚生労働省・健康日本21アクション支援システム「『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』情報シート:筋力トレーニングについて」
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