秋になると肌がかゆい!高齢者に増える乾燥の原因と今すぐできる保湿対策
秋になって空気が乾いてくると、「すねがカサカサする」「夜、布団に入るとかゆい」と感じることはありませんか。
肌の乾燥やかゆみは、高齢者だけに起こるものではありません。若い人でも季節や生活環境によって肌は乾燥します。
ただし、年齢を重ねると皮脂の分泌や発汗機能などが変化するため、若いころより肌が乾燥しやすくなるとされています。
厚生労働省の資料でも、高齢者の皮膚は皮脂の分泌や発汗機能が低下し、乾燥しやすくなることが説明されています。乾燥によって、かゆみや湿疹につながる場合もあります。
そのため、秋から冬にかけては「かゆくなってから何とかする」のではなく、洗いすぎを避ける・入浴後に保湿する・室内の乾燥にも目を向けるといった日常のケアがポイントになります。
私自身、肌が乾燥しやすいことはわかっていて、お風呂から出ると「今日はボディローションかオイルを塗ろう」と思います。
ところが、つい面倒になって何も塗らずに過ごしてしまうことも。
そんな日の夜、布団に入ってから体がかゆくなり、ポリポリとかいてしまって、「やっぱり塗っておけばよかった」と後悔します。
乾燥によるかゆみは年齢に関係なく起こりますが、高齢になると肌はどう変わるのでしょうか。
自分自身が乾燥を感じるようになったこともあり、今回は高齢者の乾燥肌について、日常生活でできる対策とあわせて調べてみました。
高齢者の肌が乾燥しやすいのはなぜ?
私たちの皮膚には、体の水分が必要以上に失われないように守る働きがあります。
ところが加齢によって皮脂の分泌や汗をかく機能などが変化すると、皮膚の表面を守る力も若いころと同じではなくなってきます。
厚生労働省の高齢者に関する資料では、加齢によって皮脂の分泌が低下し、皮膚表面の皮脂膜が失われやすくなることが示されています。
つまり、「高齢者だから必ず乾燥肌になる」ということではありませんが、加齢は肌を乾燥しやすくする要因の一つと考えられています。
さらに、秋から冬は空気そのものが乾燥します。
千葉市医師会も、加齢による乾燥肌は空気が乾燥する秋から冬に症状が現れやすく、腰まわり、太もも、すねなどに見られやすいと説明しています。
「昔は冬でも平気だったのに、最近はすねがカサカサする」という変化には、季節だけでなく年齢による肌の変化も関係している可能性があります。
高齢者の乾燥肌は「すね・腰・太もも」もチェック
乾燥というと、まず顔や手を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、高齢者の乾燥肌では、すねや太もも、腰まわりなどにも変化が現れることがあります。
たとえば、
・すねが白っぽく粉をふいている
・肌がカサカサしている
・腰や太ももをよくかいている
・お風呂上がりにかゆくなる
・夜、布団に入るとかゆくなる
といった状態です。
特に注意したいのが、かゆいところを何度もかいてしまうこと。
乾燥した皮膚をかき続けると傷がつき、赤みや炎症、湿疹につながる場合があります。
「年を取れば肌がかゆくなるもの」と我慢するのではなく、まず皮膚が乾燥していないか確認してみましょう。
お風呂ではゴシゴシ洗わない
肌がかゆいと、「もっときれいに洗ったほうがいいのかな」と考えてしまうことがあります。
ところが、乾燥している皮膚をナイロンタオルなどで強くこすることは、かえって皮膚への刺激になる場合があります。
熱すぎるお湯や長時間の入浴も、乾燥が気になるときには見直したい習慣です。
石けんやボディーソープも、たくさん使えば肌によいというわけではありません。
乾燥が気になる季節は、泡を使ってやさしく洗い、必要以上にゴシゴシこすらないよう意識してみるとよいでしょう。
若いころから続けている入浴習慣でも、肌の状態が変われば、洗い方を少し変える必要が出てくるかもしれません。
入浴後の保湿は「あとで」ではなくすぐできる場所で
乾燥が気になる季節は、入浴後の保湿も取り入れたい習慣の一つです。
顔には化粧水やクリームを使っていても、すねや太もも、腰まわりは何もつけていないという人もいるでしょう。
私もまさにそうなのですが、「あとでボディローションを塗ろう」と思っていると、服を着たり別のことをしたりしているうちに面倒になってしまいます。
そして夜になってかゆくなり、「あのとき塗っておけばよかった」と後悔するわけです。
そこで、保湿剤を洗面所や脱衣所など、お風呂から出たときにすぐ手に取れる場所に置いておくのも続けやすくする工夫の一つです。
全身を毎日完璧にケアしようとすると負担になります。
まずは毎年乾燥しやすいすねや腰など、自分が気になるところから始めてもよいでしょう。
高齢者の保湿剤は何を選べばいい?
保湿剤にはローション、乳液、クリームなどさまざまなタイプがあります。
「高齢者なら必ずこれ」と一つの商品に決められるものではなく、肌の状態や塗る場所、使いやすさによって選択肢は変わります。
広い範囲に塗りやすいもの、しっとり感が続きやすいものなど、それぞれ使い心地も異なります。
毎日使うものだからこそ、無理なく続けられるかどうかも選ぶポイントになります。
一方、すでに強いかゆみや湿疹がある場合は、市販の保湿剤だけで何とかしようとせず、皮膚科や薬剤師に相談する方法もあります。
離れて暮らす親がいるなら、「クリーム塗ってる?」と聞くだけでなく、容器が固くて開けにくくないか、背中など手の届かない場所で困っていないかを確認してみるのもよさそうです。
暖房を使い始めたら部屋の乾燥にも注意
秋が深まり暖房を使うようになると、肌だけではなく室内の乾燥も気になってきます。
厚生労働科学研究の資料では、高齢者の皮膚が乾燥する要因として、加齢だけでなく外気の乾燥や気温低下、過度な冷暖房、体の洗いすぎ・こすりすぎなども挙げられています。
そのため、保湿剤を塗ることだけを考えるのではなく、
「部屋が乾燥しすぎていないか」
「お風呂で強くこすっていないか」
「熱すぎるお湯に長く入っていないか」
「肌着や寝具が刺激になっていないか」
など、毎日の生活を一緒に振り返ってみることも役立ちます。
保湿を続けているのに毎晩かゆいという場合は、別のところに原因がないか考えるきっかけにもなります。
「年齢のせい」と決めつけず皮膚科に相談したい場合
高齢者の肌が乾燥しやすいからといって、すべてのかゆみを加齢や乾燥のせいにすることはできません。
厚生労働省の資料でも、高齢者に見られる皮膚症状には、加齢による皮脂不足だけでなく、さまざまな原因が関係することが示されています。
たとえば、
・強い赤みや湿疹がある
・かき壊して傷になっている
・症状が広がっている
・痛みを伴う発疹がある
・セルフケアを続けても改善しない
・かゆみが強く、眠れない
といった場合は、単なる乾燥だと自己判断せず、皮膚科などの医療機関に相談すると安心です。
特に痛みを伴う発疹などは、乾燥とは別の病気が隠れている可能性もあります。
「保湿しているのに治らない」というときも、我慢を続けないことが大切です。
秋のうちに高齢者の乾燥肌をチェックしておこう
肌の乾燥やかゆみは、高齢者だけの悩みではありません。
私自身も「今日はちゃんと塗ろう」と思いながら保湿をさぼり、夜になってかゆくなってから後悔することがあります。
ただ、高齢になると皮脂の分泌や発汗機能などが変化するため、若いころより肌が乾燥しやすくなるとされています。
だからこそ、本格的に空気が乾燥する冬を迎える前に、
すねが白っぽくなっていないか。
夜になると体をかいていないか。
お風呂で強くこすっていないか。
入浴後の保湿を続けられているか。
そんな身近なところから確認してみてはいかがでしょうか。
私も今年は「夜になって後悔するくらいなら、お風呂から出たときに塗る」を習慣にしたいと思っています。
高齢の家族にも「年だから仕方ない」と我慢してもらうのではなく、まずは毎日の入浴や保湿を見直し、それでも強いかゆみが続く場合は医療機関に相談する。
秋から冬の乾燥シーズンを少しでも快適に過ごすために、できるところから始めてみたいですね。
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今回調べる中で参考にしたもの
・厚生労働省「高齢者の皮膚障害に関する資料」
・厚生労働省「高齢者の皮膚症状について」
・厚生労働科学研究成果データベース「高齢者の皮膚ケアに関する資料」
・一般社団法人 千葉市医師会「加齢による肌のかさつき『老人性乾皮症』」



