外に出て歩くのが面倒…高齢者は室内運動だけでもいい?動画を見ながらできる運動の考え方
年齢を重ねるにつれて、以前より外に出るのがおっくうになったと感じることがあります。
「少しでも歩いたほうがいい」と思っていても、散歩のためだけに着替えて靴を履き、暑さや寒さを気にしながら外へ出るのは面倒に感じる日もあります。
私自身も、以前より「今日はわざわざ外に出なくてもいいかな」と思うことが増えました。
そんな日はYouTubeや短い動画を見ながら家の中で少し体を動かすことがありますが、
「外を歩かなくても、室内運動だけで意味はあるの?」
と気になりました。
結論からいうと、外に出る気になれない日は、無理に散歩だけにこだわらず、家の中で体を動かす方法でもかまいません。
厚生労働省も、高齢者については一人ひとりの体力や健康状態に合わせ、できることから始めて、今より少しでも多く体を動かすことを勧めています。
大切なのは、「今日は散歩に行けなかったから運動はゼロ」と考えないことです。
高齢者は室内運動だけでもいい?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日40分以上、約6,000歩以上に相当する量を一つの目安として示しています。
ただし、この目安に届かない場合でも、少しでも身体活動を増やすことが勧められています。
つまり、
「6,000歩歩けないなら運動しても意味がない」
ということではありません。
外に出るのが面倒な日は、家の中でできる運動から始めるのも立派な選択肢です。
例えば、
・椅子に座ったままゆっくり足踏みをする
・好きな動画1本分だけ、その場で足踏みする
・椅子の背もたれにつかまり、無理のない範囲でかかとを上げ下げする
といった簡単な動きでも始められます。
運動のために特別な道具をそろえたり、長い時間を確保したりする必要はありません。
「今日は5分だけ動こう」と思える方法のほうが、結果的に続けやすい人もいるでしょう。
YouTubeやTikTokを見ながら運動するときは内容を選ぶ
動画を使った室内運動のよいところは、家にいながらすぐ始められることです。
特に、
「シニア向け」
「椅子に座ってできる」
「初心者向け」
「ジャンプなし」
などの動画なら、自分に合うものを探しやすくなります。
ただし、画面に出てくる人と同じ速さ、同じ回数で動く必要はありません。
テンポが速すぎる運動や、大きくジャンプする動き、急に方向を変える動作などは、人によっては負担になることがあります。
高齢者は同じ年齢でも体力や関節の状態に大きな差があります。
動画についていくことよりも、
「今日はここまでなら無理なくできる」
という範囲で行うことを優先したほうが安心です。
室内運動は足踏みだけでなく少し変化をつける
家の中で運動すると聞くと、その場で歩くだけを思い浮かべるかもしれません。
しかし、厚生労働省では、高齢者に対して歩行などの身体活動だけでなく、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動も勧めています。
毎回同じ運動だけをする必要はありません。
例えば、
「今日は動画を見ながら足踏み」
「明日は椅子を使った軽い体操」
というように、その日の体調に合わせて少し種類を変える方法もあります。
筋力トレーニングについても、厚生労働省では週2~3日程度行うことが勧められています。
ただし、回数や負荷を無理に増やす必要はありません。
続けられる範囲で取り入れることが大切です。
散歩と室内運動はまったく同じではない
では、家で運動していれば、外に出なくてもよいのでしょうか。
室内運動と散歩には、それぞれ違った良さがあります。
室内運動は、
天候に左右されにくい
着替えなくても始めやすい
人目を気にしなくてよい
というメリットがあります。
一方、外を歩けば、家の中とは違う景色を見たり、買い物をしたり、人と挨拶したりする機会にもなります。
そのため、どちらか一方だけを正解にする必要はありません。
外に出られる日は近所を少し歩く。
出たくない日は家で体を動かす。
このくらい柔軟に考えたほうが続けやすい人も多いでしょう。
毎日の散歩を義務にして嫌になってしまうより、「今日は室内運動にしよう」と切り替えられるほうが、運動を続けるきっかけになることもあります。
動画を見る時間が長くなりすぎないようにする
YouTubeやTikTokは次々と動画が表示されるため、気がつくと長い時間座ったまま見ていることがあります。
ここは少し注意したいところです。
厚生労働省の高齢者向けガイドでも、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすることが勧められています。
例えば、
「動画を2本見たら一度立つ」
「次の動画はその場で足踏みしながら見る」
と決めておくのも一つの方法です。
テレビを見ながらでもかまいません。
「運動の時間を作らなければ」と構えすぎず、普段座っている時間の一部を体を動かす時間に変えるだけでも始めやすくなります。
高齢者の室内運動は転倒にも注意したい
家の中だから必ず安全というわけではありません。
運動を始める前に、
・床に物が置かれていないか
・滑りやすいマットがないか
・足元にコードがないか
・動くためのスペースがあるか
を確認しておくと安心です。
椅子を使う場合も、キャスター付きの椅子より、簡単に動かない安定したものを使ったほうがよいでしょう。
厚生労働省も、高齢者が身体活動や運動を行う際には、転倒などへの安全配慮が必要としています。
また、その日の体調も大切です。
いつもと違う強い疲れや痛みなどがあるときは無理をせず、持病がある人や運動について不安がある人は、医師などに相談してから始めると安心です。
動画を見ていると、
「あと10回」
「最後まで頑張りましょう」
と言われることもありますが、自分の体調より動画のペースを優先する必要はありません。
外に出たくない日は家で少し動くことから
「歩いたほうがいいのは分かっている。でも今日は外に出るのが面倒」
そんな日は、誰にでもあると思います。
私も、散歩をしなければと思うほど出かけるのが面倒になることがあります。
それなら最初から、
「今日は動画を見ながら少しだけ動こう」
と決めてしまったほうが気持ちは楽です。
厚生労働省が示している目安はありますが、すべての人が毎日同じ量の運動をできるわけではありません。
外に出られる日は歩く。
外に出たくない日は室内で足踏みや軽い体操をする。
長く座っていることに気づいたら、一度立って体を動かす。
最初から完璧にやろうとせず、何もしない日を少しずつ減らしていくくらいに考えると続けやすくなります。
散歩か室内運動かの二択ではなく、その日の体調や気分に合わせて、できる方法で体を動かしていきたいですね。
今回調べる中で参考にしたもの
厚生労働省
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
厚生労働省 e-ヘルスネット
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート 高齢者版」
厚生労働省 e-ヘルスネット
「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」


