老後は自然のそばで暮らしたい|医療や買い物も考えて選んだ5つの街

老後は、海や山が近くにある静かな場所で暮らしたい。

そんな暮らしを考えるようになってから、自然の多い街をいろいろ調べるようになりました。

最初は「自然が豊かで、住宅価格があまり高くなければいいのでは」と思っていたのですが、調べるほど気になったのは別のことでした。

今は車を運転できても、10年後、20年後はどうだろう。病院へ通うようになったら? 毎日の買い物が大変になったら?

そこで今回は、自然の豊かさだけではなく、医療・介護、買い物、車を使わない場合の交通、空港、住宅価格、気候や災害リスクまで確認しながら、老後の暮らしを考えるときに候補にしてみたい5つの街を選びました。

老後の街選びで自然や病院、買い物、交通を確認するイメージ

結論からいうと、千葉県いすみ市、愛媛県今治市、長野県松本市、長野県飯田市、大分県豊後高田市です。

全国1位から5位という意味ではありません。それぞれ暮らし方が違うため、順位ではなく「自分ならどこが合いそうか」という視点で比べてみます。

まずは5つの街を比べてみる

老後の移住先を選ぶときに確認したい7つの項目
街自然医療・介護買い物・交通空港住宅価格の傾向気候・災害で確認したいこと
いすみ市海・里山地域医療あり移動販売・バス支援あり成田空港を利用しやすい比較的抑えめ津波・洪水など
今治市海・島複数の医療機関市街地は買い物しやすい松山空港・国際線あり地域差が大きい台風・高潮など
松本市山・高原医療機関が充実商業施設も多い松本空港が近い5市では高め寒さ・積雪など
飯田市山・川医療機関あり地域により車が便利松本空港まで距離あり松本より抑えめ夏の暑さ・冬の寒さ
豊後高田市海・山・田園地域の医療・介護を確認乗合交通・買い物支援あり大分空港へアクセス可能抑えめの物件も台風・大雨など

※住宅価格や災害リスクは同じ市内でも地域・物件によって大きく異なります。表は街選びの目安としてまとめたものです。

千葉県いすみ市|首都圏から離れすぎず海と里山の近くへ

いすみ市で注目したのは、自然そのものより年齢を重ねた後の買い物と移動でした。

市では、食料品や日用品を載せた移動販売車が市内を巡回しています。また、75歳以上の市民などを対象に、市内循環バスやいすみシャトルバスを無料で利用できるパスポート制度があります。

海や里山が身近でありながら、成田空港を利用できるのも特徴です。成田空港には国内線だけでなく多くの国際線があり、海外旅行を続けたい人には気になるポイントでしょう。

一方、海に近い物件なら津波、川の近くなら洪水など、住所ごとのハザードマップ確認は欠かせません。病院やスーパーまでの距離も、実際に検討する物件から調べたいところです。

愛媛県今治市|瀬戸内の海と日常生活の便利さ

今治市は「海の近くに住みたいけれど、生活の便利さもある程度ほしい」という場合に検討しやすい街です。

市の移住情報では、県立今治病院や済生会今治病院などの医療機関、スーパーなど日常生活に必要な施設が紹介されています。

松山空港までは距離がありますが、国内線に加えて国際線も運航されています。

ただ、ここで注意したいのが今治市内でも生活環境が同じではないことです。中心市街地と島しょ部では、買い物や通院、交通の便利さが変わります。

瀬戸内の景色だけで決めず、「車を手放した後も通院できる場所か」を物件ごとに確認したい街です。海沿いでは高潮や津波などのハザード情報も見ておく必要があります。

長野県松本市|自然より先に医療が目に留まった街

松本市を候補に残した理由は、山がきれいだからだけではありません。

長野県は松本地域について、自然が身近にあり、松本市を中心に医療機関も充実していると紹介しています。商業施設もあり、今回の5市では比較的「地方都市の便利さ」を残しやすいタイプです。

信州まつもと空港も近く、札幌・神戸・福岡などへの定期便があります。ただし定期便は国内線が中心なので、空港が近いことと国際線が便利なことは別に考えたほうがよさそうです。

住宅価格は今回の候補では高めの傾向があります。また長野県も松本地域では自家用車が必要と案内しているため、免許返納後の生活は住む地区まで絞って確認する必要があります。

冬の寒さや積雪も、暖かい地域から移住する人には大切な判断材料です。

長野県飯田市|雪国というイメージだけでは分からなかった

飯田市は中央アルプスと南アルプスに囲まれた街です。

私が調べて意外だったのは気候でした。

「長野県だから雪が多い」と思っていましたが、飯田市の公式移住情報では、長野県内では比較的温暖で雪が少ない地域と紹介されています。

一方、夏には気温が35℃を超える日もあります。地域名から想像するだけでは分からないことがあると感じました。

住宅価格は松本市より抑えられた選択肢がありますが、公共交通だけで生活できるかどうかは地区によって差があります。自然に囲まれた家ほど、スーパーや医療機関への移動距離も一緒に確認したいところです。

大分県豊後高田市|小さな街だからこそ移動支援にも注目

豊後高田市を調べていて印象に残ったのは、住宅の安さよりも車を使えない人を支える仕組みでした。

市では通院や買い物などに利用できる市民乗合タクシーを運行しています。また、買い物に困っている人を対象に、商品の購入代行・配達と安否確認を組み合わせた支援もあります。

住宅費を抑えられる選択肢があることも魅力ですが、「家が安い=老後に暮らしやすい」とは限りません。

小さな街だからこそ、かかりつけ医だけでなく、専門的な治療が必要になった場合の医療機関までの距離や、介護サービスの利用範囲も確認しておきたいところです。

大分空港へのアクセス手段がある一方、台風や大雨などについては、やはり住む住所ごとのハザード情報を見る必要があります。

老後に希望する暮らし方から5つの街を考える比較

調べて分かったのは「10年後も暮らせるか」が大切ということ

今回、自然の近くで暮らせそうな街を探し始めたとき、私はまず景色や住宅価格を見ていました。

ところが5つの街を一つずつ調べていくうちに、見る順番が変わりました。

病院は近いか。スーパーへ行けるか。車を運転できなくなったらどうするか。

こちらのほうが、老後の住まいには重要かもしれません。

内閣府の「高齢社会白書」でも、高齢者が暮らし続けられる生活環境づくりとして、移動手段の確保や医療・福祉などを含む地域づくりが取り上げられています。

そして介護については、「施設が何軒あるか」だけでは判断できません。地域包括支援センターや在宅医療、訪問介護など、自分が将来必要としそうなサービスを移住前に自治体へ確認するほうが確実です。

移住先を決める前に、この7つだけは確認したい

気になる街が見つかったら、最後は次の7項目を候補の家の住所から調べるのがおすすめです。

①自然環境 ②医療・介護 ③買い物 ④車を使わない交通手段 ⑤空港へのアクセスと国際線 ⑥住宅価格 ⑦気候と災害リスク

同じ市でも駅前と山間部、海沿いでは暮らしやすさがまったく違います。

老後の移住先で家を決める前に病院や買い物、交通、災害リスクを確認する項目

老後の移住では、「今の自分が住みたい場所」だけでなく、少し年を取った自分でも暮らし続けられる場所か。

そんな視点を一つ加えて探してみると、自然の近くで暮らすという夢も、より現実的に考えられるのではないでしょうか。

参考資料

・内閣府「令和6年版 高齢社会白書」
・いすみ市「高齢者等買い物支援対策事業」「市内循環バス・いすみシャトルバス」
・成田国際空港「就航都市一覧」
・今治市「しまなみ海道で新生活を! 今治市移住・交流情報」
・松山空港「フライト情報」
・長野県 松本地域振興局「移住・定住促進事業」
・長野県「信州まつもと空港」
・飯田市「飯田市について」
・豊後高田市「市民乗合タクシー」「買い物支援サービス」

※交通機関、航空路線、支援制度などは変更される場合があります。また住宅価格や災害リスク、医療・介護環境は市内でも地域によって異なります。実際に移住を検討するときは、自治体の公式サイトやハザードマップ、各交通機関などで最新情報をご確認ください。

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