補聴器は何年使える?値段・片耳と両耳・お風呂で使えるかを初めての人向けに解説
最近、テレビを見ていると家族から、
「ちょっと音、大きくない?」
と言われることが増えた。
そんな変化をきっかけに、「そろそろ補聴器を考えたほうがいいのかな」と思う方もいるのではないでしょうか。
私も補聴器について考えたとき、最初は「聞こえにくい耳に一つつければいいのかな」くらいに思っていました。
ところが調べてみると、
「何年くらい使えるの?」
「補聴器はいくらする?」
「両耳なら2台必要?」
「汗や雨は大丈夫?」
「お風呂でも使える?」
と、購入前に知っておきたいことが意外とたくさんあります。
まず大まかに言うと、補聴器には数万円台のものから、片耳で30万円を超えるものまであり、価格差が大きい医療機器です。
また、公的な補装具制度では「耐用年数5年」という基準がありますが、これは市販の補聴器が5年で必ず使えなくなるという意味ではありません。
片耳だけで使う人もいれば、両耳に装用する人もいます。そして防水・防滴性能のある機種でも、入浴やシャワー、水泳で使用できるとは限りません。
ですから、価格だけを見て先に買うより、まず左右の聴力を調べてもらうところから始めるのが安心です。
補聴器は何年使える?「5年」はひとつの目安
補聴器を買うとなると、気になるのが「高いお金を払って何年使えるのか」ということです。
公的な補装具制度では、補聴器について「耐用年数」という考え方があり、5年という基準が使われています。
ただし、この5年を商品の保証期間や実際の寿命と同じように考えるのは注意が必要です。
補聴器は毎日耳につけて使用する精密な機器です。汗や湿気、耳あかなどの影響も受けますし、使用頻度や手入れの状態によっても変わります。
5年以上使える場合もあれば、途中で修理や部品交換が必要になることもあるでしょう。
そのため購入するときは、本体価格だけでなく、
「保証は何年あるか」
「修理にはどのくらい費用がかかるか」
「購入後の調整は無料なのか」
まで聞いておくと、あとで慌てずに済みます。
片耳だけでいい?両耳につける場合もある
私は補聴器というと、片方の耳に一つだけつけるものだと思っていました。
でも実際には、片耳だけに使う場合もあれば、左右の耳に一つずつ使う場合もあります。
どちらがよいかは「本人がどちらの耳を聞こえにくいと感じているか」だけでは決められません。
左右の聴力は同じとは限らず、聴力検査をして初めて分かることもあります。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、補聴器相談医は耳の状態を診察して聴力検査を行い、難聴の種類を確認します。治療できる難聴であれば治療を行い、治療が難しい場合には補聴器が本当に必要かを判断します。
ですから、
「両耳だと2台分のお金がかかりそうだから片耳だけにしよう」
と最初から決めるより、まず左右の聞こえ方を確認するほうがよさそうです。
補聴器はいくら?高いほど自分に合うとは限らない
補聴器について調べると、価格の幅の大きさに驚きます。
数万円台から選べるものがある一方、片耳で30万円を超える高額なものもあります。
両耳に必要となれば2台使用することもあるため、「思っていたより高い」と感じる方も多いかもしれません。
ただ、高価な機種ほどすべての人に適しているわけではありません。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、補聴器相談医が機能だけでなく価格面も含め、その人にとって合理的な補聴器利用につなげる役割を担うとしています。
自宅でテレビを見る時間が長い人と、外出や会話の機会が多い人では、必要とする機能も違います。
値段だけで比べず、「どんな場面で一番聞こえに困っているのか」を伝えて選ぶことが大切です。
汗や雨は大丈夫?入浴・シャワーでは注意
毎日使うなら、水にどのくらい強いのかも気になります。
最近は汗や雨などを想定した防水・防滴性能を備える補聴器もありますが、性能は機種によって異なります。
特に気をつけたいのが、
「防水と書いてある=お風呂でもつけられる」
とは限らないことです。
シャワー、入浴、水泳では外す必要がある製品もあります。
また、夏は汗をかきやすく、梅雨の時期は湿気も増えます。
購入するときは「汗をかいたときはどうするか」「雨にぬれた場合の手入れ」「入浴時には外すのか」「乾燥ケースなどが必要か」を、使用する機種ごとに確認しておきましょう。
テレビの音が大きくなったら、まず耳鼻咽喉科へ
「最近テレビの音が大きくなった」
これは補聴器を考えるきっかけにはなりますが、すぐに補聴器を買わなければならないという意味ではありません。
厚生労働省は、聞こえにくさを感じた場合には耳鼻咽喉科を受診することを案内しています。
年齢による難聴だと思っていても、耳あかが詰まっていたり、中耳炎など別の原因が見つかる場合もあります。適切に対処することで改善が期待できるケースもあるためです。
厚生労働省も、補聴器を購入する前に耳鼻咽喉科医、できれば補聴器相談医へ相談するよう勧めています。補聴器は管理医療機器で、購入時のフィッティングだけでなく、購入後の調整や定期点検も重要です。
順番にすると、
テレビの音が以前より大きくなった
→ 耳鼻咽喉科で耳の状態を確認
→ 聴力検査を受ける
→ 補聴器が必要か相談する
→ 必要なら自分の生活に合うものを選ぶ
という流れです。
初めて補聴器を買う前に確認したいこと
補聴器は、買ったその日から何もしなくてもずっと快適に使える家電とは少し違います。
聞こえ方に合わせた調整が必要で、使い始めたあとにも再調整することがあります。
厚生労働省も、専門知識や技術を持つ人によるフィッティング、購入後のアフターケア、定期点検が重要だとしています。
購入前には、片耳と両耳のどちらが必要か、本体価格はいくらか、保証や修理の費用、購入後の調整、汗や水への対応、電池式か充電式かなどを確認しておくとよいでしょう。
そしてもう一つ、意外と見落としやすいのが「試してから決められるか」です。
補聴器は実際の生活の中で使ってみないと、テレビの声、人との会話、外の音がどのように聞こえるか分かりにくいものです。
「最近聞こえにくくなったから、とにかく高い補聴器を買わなければ」と急ぐ必要はありません。
まず耳の状態を調べてもらい、本当に必要なのか、片耳なのか両耳なのか、どの程度の機能が自分の生活に合うのかを一つずつ確認する。
決して安い買い物ではないからこそ、値段より先に「自分の聞こえ方を知ること」から始めたいですね。
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今回調べる中で参考にしたもの
・厚生労働省「『聞こえにくさ』感じていませんか?」
・厚生労働省「『聞こえにくさ』感じていませんか? ~耳の日に『聞こえ』について考える~」
・一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「補聴器相談医とは?」
・一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「補聴器相談医の役割」
※聞こえにくさの原因や補聴器の必要性、適した機種には個人差があります。聞こえ方に変化を感じた場合は、自己判断で購入する前に耳鼻咽喉科などで相談してください。


