75歳以上は病院で何を見せる?マイナ保険証・資格確認書で迷わないために
病院や薬局へ行くとき、「今までの健康保険証はもう使えないの?」「マイナ保険証がないと受診できない?」と迷う方もいるのではないでしょうか。
健康保険証をめぐる仕組みはここ数年で変わり、さらに2026年8月からは後期高齢者医療制度の資格確認書の扱いにも変更がありました。
私の両親は韓国で暮らしていますが、離れて暮らしていると、年齢を重ねた親の医療や手続きについて考えることが増えました。日本の制度を調べていても、「名前が似ていて分かりにくい」と感じることがあります。
特に「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は名前が似ているため、届いた書類を見て戸惑う方もいるかもしれません。
そこで今回は、2026年9月現在、75歳以上の方が病院や薬局へ行くときに何を持って行けばよいのかを、できるだけ分かりやすく整理します。
2026年現在、病院では何を見せればいい?
最初に、いちばん気になるところから確認しておきましょう。
厚生労働省によると、従来の健康保険証の有効期限はすでに終了しています。
現在、医療機関や薬局では基本的に、
マイナ保険証を持っている方 → マイナ保険証
マイナ保険証を持っていない方 → 資格確認書
を提示します。
「マイナンバーカードを持っていないと病院へ行けない」ということではありません。マイナ保険証を持っていない方などには、資格確認書を使って保険診療を受ける仕組みがあります。
以前は、有効期限が切れた従来の健康保険証を間違って持参した場合にも利用できる経過的な対応がありましたが、この対応も2026年7月31日で終了しています。厚生労働省も、現在はマイナ保険証または資格確認書を提示するよう案内しています。
ただし、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度では、2026年8月以降、資格確認書の交付方法がそれまでと変わっています。
年齢やマイナ保険証の利用状況などによって届く書類が異なる場合があるため、手元に届いた最新の書類にも目を通しておきましょう。厚生労働省も、2026年8月以降の詳しい交付方法については、加入している後期高齢者医療広域連合からの情報を確かめるよう案内しています。
マイナ保険証と資格確認書は何が違う?
「マイナ保険証」という名前の新しいカードが発行されるわけではありません。
健康保険証として利用登録したマイナンバーカードが、マイナ保険証です。
病院や薬局では、受付に設置された顔認証付きカードリーダーなどを使って資格を確認します。
一方の資格確認書は、マイナ保険証を持っていない方などが保険診療を受ける際に使える書類です。
厚生労働省によると、マイナンバーカードを取得していない方や、カードは持っていても健康保険証としての利用登録をしていない方などには、当分の間、申請をしなくても資格確認書が交付されます。
資格確認書には有効期限があり、様式や発行方法などは保険者によって異なります。
「カードを持っていないから受診できない」と心配するのではなく、まず自分がマイナ保険証を使うのか、資格確認書を使うのかを見ておくと安心です。
75歳以上は全員「資格確認書」ではない
後期高齢者医療制度では、2026年7月31日までは、マイナ保険証を持っているかどうかにかかわらず、資格確認書を一律に交付する暫定的な運用が行われていました。
しかし、2026年8月からこの一律交付の扱いが見直されています。 厚生労働省は、年齢やマイナ保険証の過去の利用実績などを踏まえた対応方針を示しています。
たとえば千葉県の場合、2026年8月1日時点で85歳以上の方には、マイナ保険証を持っているかどうかにかかわらず資格確認書が交付されます。
84歳以下では、マイナ保険証を持っていない方、マイナ保険証での受診が難しい方、普段からマイナ保険証を使用していない方などには資格確認書が交付されます。
一方、84歳以下で一定の条件を満たしてマイナ保険証を普段から利用している方には、「資格情報のお知らせ」が交付されます。
これは千葉県後期高齢者医療広域連合の例です。
「75歳以上なら全員同じ書類が届く」と考えず、自分が加入している後期高齢者医療広域連合や市区町村から届いた案内を見ておくことが大切です。
「資格情報のお知らせ」だけで病院を受診できる?
ここは名前が似ていて、私も最初は少し分かりにくく感じたところです。
「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は同じものではありません。
資格確認書は、医療機関や薬局の窓口に提示して資格を確認してもらうために使用できます。
一方、「資格情報のお知らせ」だけを窓口に出して受診することはできません。
資格情報のお知らせが届いた方は、基本的にはマイナ保険証を使って受診します。
たとえば千葉県後期高齢者医療広域連合では、医療機関や薬局でマイナ保険証を読み取れない場合、マイナ保険証と資格情報のお知らせを一緒に提示することで受診できると案内しています。
書類が届いたら、表題に
「資格確認書」
と書いてあるのか、
「資格情報のお知らせ」
と書いてあるのかを見ておきましょう。
似た名前ですが、使い方は同じではありません。
マイナ保険証の操作が難しくなったら?
今はマイナ保険証を使えていても、年齢を重ねたり体調が変化したりすると、顔認証付きカードリーダーの操作が難しくなることも考えられます。
そのような場合にまで、無理をしてマイナ保険証を使い続けなければならないわけではありません。
厚生労働省では、高齢などの理由でマイナンバーカードによる受診が難しく、配慮が必要な方について、申請により資格確認書を交付する仕組みを設けています。
一度申請によって資格確認書の交付を受けた配慮が必要な方は、更新時の申請は不要とされています。
また、本人だけでなく、親族などの法定代理人や介助者などによる代理申請も可能です。
「前は自分でできていたけれど、最近は操作が難しい」という場合には、加入している医療保険者や市区町村の窓口に相談してみるとよいでしょう。
病院へ行く前に3つだけ見ておきたい
制度の名前をすべて覚えることより、次に病院へ行くとき、自分は何を持って行けばよいのかが分かっていることのほうが大切です。
病院へ行く前には、次の3つを見ておくと安心です。
① 自分が使うのはマイナ保険証か資格確認書か
② 届いた書類は「資格確認書」か「資格情報のお知らせ」か
③ 資格確認書を使う場合は有効期限が切れていないか
特に高齢になると、診察券やお薬手帳など、通院時に準備するものが増えることがあります。
そこへ似た名前の書類が加われば、迷ってしまうこともあるでしょう。
離れて暮らす親がいる場合も、
「新しい書類は届いた?」
「今度、病院へ行くときは何を持って行く?」
と普段の会話の中で聞いてみるだけでも、持ち物を一緒に整理できます。
新しい資格確認書などが届いたときは、そのまま引き出しにしまうのではなく、有効期限を見て、古いものと間違えないよう整理しておくのもよさそうです。
まとめ|75歳以上も手元に届いた書類を一度見ておこう
2026年現在、病院や薬局では基本的に、マイナ保険証を持っている方はマイナ保険証、持っていない方などは資格確認書を利用します。
ただし、75歳以上の後期高齢者医療制度では、2026年8月から資格確認書の一律交付が見直されています。
そのため、75歳以上だからといって全員がまったく同じ書類を使うとは限りません。
また、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は別のものです。
資格情報のお知らせだけを持って病院へ行くのではなく、マイナ保険証を使う方はマイナ保険証を持参しましょう。
制度が変わると、聞き慣れない言葉を全部覚えなければならないように感じます。
でも、まずは自分の手元に何が届いているのかを見て、次の受診で使うものを決めておけば十分です。
地域や加入状況によって扱いが異なる場合や、届いた書類について分からないことがある場合は、加入している後期高齢者医療広域連合や市区町村の窓口に問い合わせてみると安心です。
病院へ行く当日に慌てないよう、元気なときに一度、財布や書類入れの中を見直しておきたいですね。
あわせて読みたい
👉65歳以上のインフルエンザ予防接種はいつから?2026年の時期・対象・費用を確認
参考資料
厚生労働省「資格確認方法について」
厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」
厚生労働省「後期高齢者医療制度における令和8年8月以降の資格確認書の職権交付について」
千葉県後期高齢者医療広域連合「令和8年8月1日からの資格確認書等の交付について」
千葉県後期高齢者医療広域連合「令和8年8月1日からの資格情報のお知らせの交付について」



