年金の「意向確認書」が届いた!返送しないとどうなる?何もしなくていい人を確認

日本年金機構から簡易書留が届き、中を開けると「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書」。

名前が長いので、「これは返送する書類?」「何もしないと困るの?」と戸惑った人もいるのではないでしょうか。

私も公的な書類を見ると、最初に知りたいのは「結局、何をすればいいの?」ということです。

今回の意向確認書は、一般的な申請書とは少し違います。

年金の意向確認書が届いたときに返送が必要かを確認するイラスト

先に結論をまとめると、

年金の振込口座を公金受取口座として登録したい人は、原則として手続き不要です。

一方、登録したくない人は「公金受取口座登録不同意申出書」を期限内に返送する必要があります。

日本年金機構とデジタル庁の案内では、意向確認書を受け取ってから45日以内に不同意申出書の返送がない場合、登録に同意したものとして取り扱われます。

「書類が届いたから、とりあえず返送しよう」と考える前に、まず自分が登録を希望するかどうかを確認することが大切です。

年金の「意向確認書」は何のために届く?

今回の意向確認書は、現在使っている年金振込口座を「公金受取口座」として登録してよいか、本人の意思を確認するための書類です。

公金受取口座とは、給付金などを受け取るための口座をあらかじめ国に登録しておく制度です。

登録しておくと、対象となる給付金などを申請する際、口座情報の記入や通帳の写しの提出を省略できる場合があります。

日本年金機構によると、意向確認書の対象となるのは、原則として2026年4月15日時点で65歳以上の年金受給者で、公金受取口座をまだ登録していない人です。

ただし、65歳以上なら必ず届くわけではありません。

すでに公金受取口座を登録している人、2026年4月に年金が支払われなかった人、海外に住んでいる人、共済組合などからの年金だけを受給している人などは、送付対象にならない場合があります。

意向確認書は全員に一斉発送されるのではなく、生年月日に応じて2026年8月ごろから2027年2月ごろまで順次、簡易書留で送られる予定です。

そのため、「同じ年代の人には届いたのに、自分にはまだ届かない」という場合でも、すぐに異常とは限りません。発送時期も予定のため、実際の到着時期が前後する可能性があります。

登録を希望する人は、基本的に手続き不要

意向確認書に記載されている年金振込口座を、そのまま公金受取口座として登録したい場合は、原則として書類を返送する必要はありません。

ここが今回、特に間違えやすいところです。

公的な書類が届くと「記入して送り返さなければ」と思ってしまいますが、今回は登録を希望する人が不同意申出書を返送すると、「登録を希望しない」という意思表示になってしまいます。

公的な書類は名称が長いだけで難しく感じますが、今回はまず、

この口座を公金受取口座として登録したいか、したくないか

で考えると整理しやすいと思います。

ただし、意向確認書に記載されている口座が現在使っている年金振込口座と違うなど、内容に心当たりがない場合は、そのままにせず確認したほうが安心です。

登録したくない人は「不同意申出書」を確認

「年金は今の口座で受け取っているけれど、この口座を公金受取口座として登録したくない」という選択もできます。

その場合は、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を切り離し、必要事項を確認したうえで返送します。

日本年金機構では、意向確認書に記載された返送期限を確認して返送するよう案内しています。

目安となるのは、意向確認書を受け取ってから45日以内です。

返送を忘れて公金受取口座として登録された場合でも、あとから変更や抹消はできます。

デジタル庁によると、登録後もマイナポータルや対応する金融機関などで公金受取口座の変更・抹消が可能です。

「一度登録されたら、ずっと変更できない」という制度ではありません。

口座を登録すると預金残高まで国に知られる?

公金受取口座と聞いて、「口座を登録したら預金残高や取引内容まで分かってしまうのでは?」と心配になる人もいるかもしれません。

デジタル庁では、公金受取口座として登録されるのは、金融機関名や支店名、預貯金種別、口座番号、口座名義人氏名など、給付金などの振り込みに必要な情報だと案内しています。

預金残高などの財産情報は登録されず、この制度によって国が預貯金を引き出すこともないと説明されています。

不安がある場合は、こうした仕組みを確認してから登録するかどうかを判断するとよいでしょう。

登録完了までは約3~4か月

登録を希望して不同意申出書を返送しなかったからといって、すぐに公金受取口座として利用できるわけではありません。

意向確認書が届いてから最低45日間の確認期間があり、その後、日本年金機構からデジタル庁へ登録に必要な情報が提供されます。

デジタル庁によると、意向確認書が届いてから登録が完了し、利用できる状態になるまでの目安は約3~4か月です。

登録が完了すると、デジタル庁から郵便はがき、またはマイナポータルのお知らせで結果が通知されます。

急いで公金受取口座を登録したい場合は、この手続きの完了を待たず、マイナポータルや対応する金融機関で別途登録する方法もあります。

意向確認書が届いたら、まず3つ確認

意向確認書が届いたときに口座・登録意思・返送期限を確認するチェックリスト

難しい制度名を全部覚える必要はありません。

封筒が届いたら、まず次の3点を確認してみてください。

① 記載されている口座が、自分の年金振込口座と合っているか

② その口座を公金受取口座として登録したいか

③ 登録したくない場合、不同意申出書の返送期限はいつか

この3つが分かれば、自分が何をすればよいのか判断しやすくなります。

内容や手続き方法が分からない場合は、意向確認書に記載されている「意向確認書照会専用フリーダイヤル」へ確認できます。

日本年金機構では、この意向確認書に関する専用窓口を設けています。問い合わせの際は、届いた書類を手元に置いて確認するとスムーズです。

本人が書類を確認したり回答したりすることが難しい場合は、本人の意思を確認したうえで、家族や後見人などが内容を一緒に確認する方法もあります。

電話やSMSで口座情報を聞かれたら注意

今回のように口座に関係する公的な書類が届くと、気になるのが詐欺です。

デジタル庁では、この制度について電話・SMS・メールで口座情報の提供を求めることはないと案内しています。

日本年金機構やデジタル庁を名乗っていても、電話やSMSなどで口座番号や暗証番号などを聞かれた場合は、その場で答えないよう注意しましょう。

分からないことがある場合は、届いた意向確認書に記載されている問い合わせ先を自分で確認して連絡するほうが安心です。

「返送しない=忘れている」とは限らない

今回の意向確認書で一番覚えておきたいのは、一般的な申請書とは手続きの考え方が少し違うことです。

登録を希望する場合は原則として手続き不要。登録を希望しない場合は、不同意申出書を期限内に返送します。

書類が届くと、「早く何かを書いて送り返さなくては」と焦ってしまうこともあります。

でも今回は、まず封筒の内容を読み、記載されている口座を確認してからでも遅くありません。

特に高齢の家族に簡易書留が届いた場合は、本人だけでは分かりにくそうなら、家族が一緒に「どの口座が書かれているか」「登録を希望するか」「返送が必要か」を確認してあげると安心です。

参考にした情報

・日本年金機構「年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付」

・デジタル庁「年金口座(年金振込口座)で給付金等が、手続き不要で、より簡単により早く受け取れます」

・デジタル庁「よくある質問:年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録(行政機関等経由登録の特例制度)」

・デジタル庁「よくある質問:公金受取口座に関する手続き」

※2026年9月時点で日本年金機構・デジタル庁が公表している情報をもとにまとめています。対象者や発送時期、手続き方法などは変更される場合があるため、実際に届いた意向確認書の記載内容や最新の公式情報もあわせてご確認ください。

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