朝3時・4時に目が覚めても大丈夫?70代の両親でまったく違った睡眠のかたち
私の母は70歳です。昔から夜9時ごろになると自然に眠くなり、そのまま寝て、朝3時や4時には起きて活動を始めます。
一方、父の睡眠はまったく違います。夜10時から11時ごろには寝ようとしますが、なかなか眠れない日は12時を過ぎることもあります。眠ったあとも、夜中にトイレへ行ったり、一度目が覚めたりするそうです。
同じような年代なのに、どうしてこれほど眠り方が違うのでしょうか。
調べてみると、朝3時・4時に目が覚めるという時刻だけで、「睡眠が足りない」「眠りに問題がある」とは判断できないことがわかりました。
何時に寝たのか、どのくらい眠れているのか、朝起きたときに休めた感じがあるか、昼間に強い眠気やつらさがないか。こうしたことも一緒に見ることが大切です。
年齢とともに早寝早起きになりやすい
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、健康な高齢者でも若いころに比べて実際の睡眠時間は短くなり、深い睡眠が減って、中途覚醒や早朝覚醒が増える傾向があります。
また、睡眠だけでなく、体温やホルモン分泌などの生体リズムも年齢とともに前倒しになるため、早寝早起きになりやすいと説明されています。
母を見ていると、思い当たるところがあります。
夜9時に寝て朝3時なら6時間、朝4時なら7時間です。ただ、私はこの時間だけを見て「母の睡眠は理想的」「健康な睡眠」と判断するつもりはありません。
母の場合、少なくとも本人は早朝に起きることを悩んでおらず、起きたあとは普段どおり生活しています。だから私は、起きる時刻だけを見て「朝3時は早すぎる」と心配する必要はないのかもしれないと思うようになりました。
厚生労働省の資料でも、実際に眠っている時間は加齢とともに短くなる傾向が示されています。ただし、必要な睡眠時間には個人差があるため、「70代なら何時間眠れば大丈夫」と一律には決められません。
父は寝つきと夜中の目覚めが気になる
父の場合は、母のような単純な早寝早起きとは少し違います。
10時から11時ごろに寝ようとしても眠れない日があり、12時を過ぎることもあります。眠ったあともトイレへ行くために起きたり、途中で目が覚めたりします。
それでも父は、目が覚めたらできるだけもう一度眠ろうとしているようです。
高齢になると深い睡眠が減り、若いころより途中で目が覚めやすくなることがあります。こうして夜中に目が覚めることは「中途覚醒」と呼ばれます。
ただし、夜中に目が覚めることをすべて「年齢のせい」と考えるのもよくありません。
厚生労働省は、睡眠を妨げる原因として、睡眠時無呼吸などの睡眠障害のほか、痛みやかゆみ、夜間頻尿を伴う病気なども挙げています。
父は現在、病院から睡眠のための薬を処方してもらっています。また、手術を控えているため、わが家の場合は「もっと運動すれば眠れるのでは」と自己判断で無理をさせる状況でもありません。
睡眠の状態や薬について気になることがあれば、現在診てもらっている医師や薬剤師に相談するのが安心だと思っています。
「8時間眠らなければ」と思い込まなくてもいい
睡眠について調べていて、私が勘違いしそうになったのが「8時間」という数字でした。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、高齢者について、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
ここで注意したいのは、「睡眠時間」と「床上時間」は同じではないことです。
睡眠時間は実際に眠っている時間ですが、床上時間は眠っていない時間も含めて寝床で過ごしている時間です。
つまり「高齢者は8時間眠ってはいけない」という意味ではありません。
e-ヘルスネットでも、60代以降は実際の睡眠時間が短くなる一方で床上時間が長くなる傾向があり、眠れないまま寝床で過ごす時間が長くなると睡眠への満足感が下がることがあると説明しています。
「8時間眠らなければ」と数字だけを目標にするより、自分が実際にどのくらい眠れているのか、朝に休めた感じがあるのかを見るほうが大切なのだと思います。
昼寝はしないほうがいい?
父は夜に眠れなくなるのを気にして、昼間はできるだけ昼寝をしないようにしています。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、高齢者について、長い昼寝は夜間の良い睡眠を妨げる可能性があるため、日中の長時間の昼寝を避けることが勧められています。
ただし、これは「高齢者は昼寝をしてはいけない」という意味ではありません。
注意したいのは、夜の睡眠に影響するような長時間の昼寝です。
また、父のように治療中だったり手術を控えていたりする人まで、「昼間は必ず活動しなければ」「運動しなければ」と無理をする必要はないでしょう。
体調や治療内容は人によって違います。一般的な睡眠対策をそのまま当てはめるのではなく、現在の体調を優先し、必要であれば主治医に確認することが大切です。
早く目が覚めるだけでなく、昼間の様子も見てみる
母は今も早く寝て、まだ暗いうちから一日を始めます。
父は寝つけない日や途中で目が覚めることがあり、自分なりに昼寝を控えながら過ごしています。
二人を見ていると、私も「今日は何時に目が覚めた」という時刻だけを気にするのではなく、何時に眠ったのか、夜中に何度起きたのか、朝に休めた感じがあるか、昼間に眠気やつらさがないかまで一緒に見るようになりました。
厚生労働省の高齢者向けGood Sleepガイドでも、良い睡眠には時間だけでなく、朝目覚めたときに休まったと感じる「睡眠休養感」が重要だとされています。
早朝に目が覚めるだけで困っていない人もいます。一方で、なかなか眠れない、何度も目が覚める、早く目覚めてその後眠れないといった状態が続き、日中の生活にも影響している場合は、「年齢のせい」と決めつけず、医療機関に相談することも大切です。
参考にした情報
厚生労働省 e-ヘルスネット「高齢者の睡眠」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)高齢者版」

