シルバー人材センターとは?仕事をしたい人・頼みたい人の利用方法をわかりやすく解説

以前、自宅まわりの草が伸びて、草刈りをどこに頼めばいいのか困ったことがありました。

最初は普通の業者を探そうと思ったのですが、どこへ相談すればいいのかわからず自治体に問い合わせたところ、そこで初めて「シルバー人材センター」という仕組みを知りました。

名前は聞いたことがあったものの、当時の私は「高齢者向けのアルバイトを紹介するところなのかな?」という程度の認識でした。

調べてみると、少し違います。

シルバー人材センターで仕事について相談する高齢者

シルバー人材センターは、働く意欲のある高齢者に地域で働く機会を提供するとともに、家庭や企業、公共団体などから仕事の依頼を受ける仕組みです。

つまり、

「定年後、毎日ではなくても少し働きたい」

という人だけでなく、

「草刈りや掃除などを誰かにお願いしたい」

という人も利用できます。

この記事では、仕事をしたい人・仕事を頼みたい人の両方の立場から、登録方法、仕事内容、報酬、依頼方法、料金まで順番に紹介します。

シルバー人材センターとは?

公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会によると、シルバー人材センターは、原則60歳以上の高齢者に、臨時的・短期的または軽易な仕事を提供する仕組みです。

企業だけでなく、家庭や官公庁などからも仕事を受けています。

単に収入を得ることだけが目的ではなく、これまでの経験を生かして働いたり、仕事を通して地域社会に参加したりすることもシルバー人材センターの大きな役割です。

全国にセンターがあり、住んでいる地域のセンターに入会して仕事をするのが基本です。

一方、仕事を頼む側は、センターの会員になる必要はありません。

普通のアルバイトとはどう違う?

私も最初に勘違いしたところですが、シルバー人材センターは一般的なアルバイト紹介所とまったく同じではありません。

シルバー人材センターの働き方の特徴

センターが家庭や企業などから仕事を受け、登録している会員がその仕事を行う「請負・委任」という形のほか、労働者派遣や職業紹介による働き方もあります。

そのため、すべての仕事で一般企業のアルバイトと同じ雇用契約を結ぶわけではありません。

全国シルバー人材センター事業協会では、請負・委任による就業について、おおむね月10日程度以内、または週20時間を超えない範囲を目安として案内しています。

「週5日しっかり働きたい」という人よりも、

「毎日は大変だけれど、まだ少し働きたい」

「今までの経験を地域で生かしたい」

という人に合う働き方が見つかる場合があります。

シルバー人材センターで仕事をしたい人はどうする?

まずは、住んでいる地域のシルバー人材センターを探します。

入会条件や会費はセンターによって違います。

たとえば成田市では、市内在住のおおむね60歳以上で、健康で働く意欲があり、ほかの会員と協力して働ける人を対象に会員を募集しています。

一般的には、

地域のセンターを探す → 入会説明会に参加する → 入会手続きをする → 希望する仕事や経験を伝える → 条件が合う仕事に就業する

という流れになります。

ただし、登録すれば希望する仕事が必ず紹介されるというものではありません。

仕事の種類や依頼件数、時期などによって状況が変わるため、説明会で「どんな仕事が多いですか」「どのくらい働けますか」と聞いてみると具体的にイメージしやすくなります。

どんな仕事がある?

私がシルバー人材センターを知ったきっかけは草刈りでしたが、仕事は庭仕事だけではありません。

成田市では、草取りや機械を使った草刈り、植木の剪定、施設・駐輪場などの管理、屋内外の清掃、受付、宛名書き、障子・網戸関係、家事援助などが紹介されています。

地域によっては、これまで仕事や家庭で培ってきた経験を生かせる仕事が見つかることもあります。

一方、体力を必要とする仕事もあるため、「できそうだから」と無理をする必要はありません。

どんな仕事を希望するのか、どの程度なら続けられそうかをセンターに相談しながら決めていくことになります。

シルバー人材センターで働いたら報酬はいくら?

「仕事をしたら、いくらくらいもらえるの?」という点も気になります。

ただし、全国共通の金額が決まっているわけではありません。

仕事内容や働き方、地域によって異なるためです。

請負・委任による仕事の場合、会員には仕事の内容や量に応じて「配分金」が支払われます。

一方、労働者派遣の場合は賃金、職業紹介によって雇用された場合も雇用先から賃金を受け取るなど、働き方によって仕組みが変わります。

そのため、入会前に「この仕事ならどのくらいの収入になるのか」「どのような形で支払われるのか」を地域のセンターで聞いておくと安心です。

仕事を頼みたい人も利用できる

シルバー人材センターは、高齢者が仕事を探すためだけの場所ではありません。

一般家庭から仕事をお願いすることもできます。

私自身、自治体に問い合わせるまでは、自宅の草刈りをシルバー人材センターに相談できるとは知りませんでした。

成田市では、草取りや草刈り、植木の剪定、清掃、障子・網戸関係、家事援助など、家庭から依頼できる仕事も案内されています。

「庭の草が伸びてしまった」

「自分では植木の手入れが難しくなった」

「家のちょっとした作業をお願いしたい」

そんなときは、民間業者だけでなく地域のシルバー人材センターで対応できるか聞いてみる方法もあります。

シルバー人材センターに仕事を頼む流れ

仕事をお願いするときは、まず住んでいる地域のシルバー人材センターに連絡します。

一般的には、

センターに相談 → 仕事内容を伝える → 対応できるか確認 → 見積もり → 契約 → 作業 → 支払い

という流れです。

依頼内容によっては、現場を確認してから見積もりになる場合もあります。

また、危険を伴う作業や専門資格が必要な作業など、センターでは引き受けられない仕事もあります。

最初の電話で、お願いしたい内容をできるだけ具体的に伝えると話が進みやすくなります。

シルバー人材センターで働く人と仕事を頼む人の利用手順

草刈りや掃除はいくらで頼める?

仕事を頼む側として、やはり気になるのが「実際にいくらくらいかかるの?」という点です。

シルバー人材センターの料金は全国一律ではありませんが、料金を公開している地域を見ると、おおよそのイメージをつかむことができます。

たとえば千葉市シルバー人材センターでは、家庭の庭や空き地の除草について、手作業なら1人2時間3,100円から、草刈り機を使う場合は1人2時間6,400円からと案内されています。いずれも最低2時間からです。

また、柏市シルバー人材センターでは、除草の目安として手刈りは1時間1,320円から、機械刈りは1時間1,650円から、家事援助サービスは1時間1,500円からとしています。

こうして見ると、簡単な作業なら数千円程度から相談できる地域もあります。

ただし、これは千葉市・柏市の料金例であり、全国共通の料金ではありません。

同じ草刈りでも、庭の広さや草の状態、機械を使うかどうか、作業人数などによって金額が変わります。刈った草の運搬・処分費などが別にかかる場合もあるため、依頼する前に総額の見積もりを確認しておくと安心です。

また、庭仕事は時期によって依頼が集中することがあります。実際に成田市シルバー人材センターでは、2026年度(2027年3月まで)の植木剪定について、すでに受注上限に達したことが2026年5月に案内されています。

庭仕事をお願いしたい場合は、希望する時期より少し早めに問い合わせてみるとよいでしょう。

まずは自分の地域のセンターに「このくらいの庭ですが、草刈りをお願いするといくらくらいになりますか?」と聞いてみると、具体的な費用がわかります。

利用する前に確認しておきたいこと

シルバー人材センター利用前の確認項目

シルバー人材センターは全国にありますが、どこでも条件が同じというわけではありません。

仕事をしたい人なら、入会年齢、会費、仕事内容、働き方、報酬などを確認しておきましょう。

仕事を頼みたい人なら、依頼できる作業、料金、作業時期、キャンセル条件、追加料金の有無などを聞いておくと安心です。

また、一般的な求人会社や便利屋と同じ仕組みではないため、「何でもすぐに頼める」「登録すれば必ず仕事がある」と考えず、まず地域のセンターに相談してみるのが現実的です。

シルバー人材センターについてよくある質問

60歳未満でも会員になれますか?

全国シルバー人材センター事業協会では、原則60歳以上の人を対象としています。具体的な入会条件は各地域のセンターで確認してください。

仕事を頼む人も高齢者でなければいけませんか?

仕事を依頼する側が高齢者である必要はありません。家庭や企業、公共団体などから仕事を受けています。ただし、対応できる仕事内容はセンターによって異なります。

草刈りはどこのシルバー人材センターでも頼めますか?

すべてのセンターで必ず草刈りを受け付けているとは限りません。対応する仕事や受付状況は地域や時期によって違うため、最寄りのセンターに問い合わせてください。

仕事をしたい人にも、頼みたい人にも身近な仕組み

シルバー人材センターを調べてみて、私が最初に思っていた「高齢者向けのアルバイトを紹介する場所」とは少し違うことがわかりました。

定年後も無理のない範囲で働きたい人にとっては、これまでの経験を生かしながら地域で働くきっかけになります。

一方、草刈りや掃除などをお願いしたい家庭にとっても、知っておくと役立つ相談先です。

私の場合は草刈りについて自治体に問い合わせたことがきっかけでしたが、もしあのとき聞いていなければ、シルバー人材センターが家庭からの仕事も受けていることを知らないままだったと思います。

「少し働いてみたい」

「この作業を誰かにお願いできないかな」

どちらの場合も、まずは住んでいる地域のシルバー人材センターの公式サイトを確認してみてください。

全国シルバー人材センター事業協会の公式サイトから、全国のシルバー人材センターを探すこともできます。

今回調べる中で参考にしたもの

・公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会「シルバー人材センター事業の概要」
・公益社団法人 全国シルバー人材センター事業協会 公式サイト
・成田市「シルバー人材センター」
・成田市 高齢者福祉関連資料
・公益社団法人 成田市シルバー人材センター 公式サイト
・公益社団法人 千葉市シルバー人材センター「お受けできるお仕事」
・公益社団法人 柏市シルバー人材センター「各料金表」

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