これから何をしてみたい?60代・70代から始めるバケットリスト
エンディングノートについて考えていたとき、ふと思ったことがありました。
年齢を重ねると、これまでの暮らしを整理したり、家族に伝えておきたいことを書いたりする機会が増えてきます。
もちろん、それも大切なことです。
でも、整理することばかり考えていると、少し寂しい気持ちにもなります。
それなら、「これからやってみたいこと」も一緒に書いてみたらいいのでは?
そこから思い浮かんだのが、バケットリストでした。
バケットリストは一般に「人生でやりたいこと」を書き出したリストです。「死ぬまでにやりたいこと」と表現されることもありますが、私はもっと気軽に、
「これからの楽しみを書いておくノート」
くらいに考えるのが好きです。
最初から100個も考える必要はありません。
「温泉に一泊したい」でも、「近所の気になっていた喫茶店に行きたい」でも大丈夫。
まず一つ書けば、それが最初のバケットリストになります。
60代・70代からのバケットリストは何を書けばいい?
バケットリストというと、海外旅行や大きな挑戦など、特別なことを書かなければいけないように感じるかもしれません。
でも、そんな決まりはありません。
若い頃に「いつかやってみたい」と思っていたことを振り返ると、仕事や家、旅行など、大きな目標が多かったという人もいるでしょう。
年齢を重ねてからは、それとは少し違った楽しみ方もできます。
「今年は桜を見に行く」
「一人で映画館に行ってみる」
「昔よく会っていた友人に連絡する」
何気ないことも「やってみたいこと」の一つになります。
そして実際にやってみると、
「次は何をしようかな」
という楽しみも生まれます。
内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査」では、60歳以上の人のうち、生きがい(喜びや楽しみ)を「十分感じている」「多少感じている」と答えた人は合わせて74.8%でした。
バケットリストを書けば生きがいが生まれる、と単純に言えるものではありません。
ただ、自分にとって何が楽しみなのかを改めて考えるきっかけの一つにはなりそうです。
バケットリストは100個ではなく、まず10個くらいから
インターネットでバケットリストを検索すると、「やりたいこと100選」「人生でやりたいこと100個」といった記事をよく見かけます。
100個考えること自体を楽しめるなら、それもいいでしょう。
でも、「100個も思いつかない」とそこでやめてしまうのは、少しもったいない気がします。
最初は10個くらいで十分です。
それでも多ければ、3個から始めても構いません。
紙のノート、手帳、スマートフォンのメモなど、使いやすいものを選びます。
思いついた順番も気にしません。
たとえば、
「北海道に行ってみたい」
と書いた次の行に、
「近所にできたパン屋さんに行く」
と書いてもいいのです。
大きな夢と、すぐにできそうな小さな楽しみを混ぜる。
そのほうが、自分らしいリストになりそうです。
思いつかないときは6つに分けて考えてみる
白い紙を前にして、いきなり「やりたいことを書こう」と考えても、意外と思いつかないものです。
そんなときは、テーマを分けて考えてみます。
行ってみたいところ
桜の名所を見る、温泉に一泊する、行ったことのない県へ行く。
家の近くでやってみたいこと
新しい喫茶店に入る、いつもと違う道を散歩する、図書館へ行ってみる。
一人でやってみたいこと
一人で映画を見る、一人ランチを楽しむ、電車で日帰り旅をする。
家族や友人としたいこと
家族写真を撮る、昔の友人に連絡する、家族とゆっくり食事をする。
新しく覚えてみたいこと
スマホできれいな写真を撮る、家庭菜園を始める、新しい料理を覚える。
もう一度やってみたいこと
昔好きだった映画を見る、以前訪れた場所へもう一度行く、昔の趣味を再開する。
こうして分けてみると、「特にないと思っていたけれど、意外とある」と気づくかもしれません。
内閣府の「高齢社会白書」でも、65歳以上の人が参加する社会活動として、健康・スポーツ、趣味、地域活動などさまざまなものが紹介されています。また、人との交流と生きがいとの関係についても調査されています。
旅行のような特別な予定だけでなく、趣味や人との時間も「これからやりたいこと」の候補にしてよさそうです。
まずは5つ、自分のバケットリストを書いてみる
ここまで読んで「少し書いてみようかな」と思ったら、難しく考えず、次の5つから始めてみてください。
① 行ってみたい場所
______________
② 一人でやってみたいこと
______________
③ 家族や友人としたいこと
______________
④ 新しく覚えてみたいこと
______________
⑤ もう一度やってみたいこと
______________
5つ全部を埋めなくても大丈夫です。
一つ思いついたら、まずそこから始めます。
「何を書けばいいのかわからない」という人なら、むしろ最初の一つが見つかることのほうが大切なのではないでしょうか。
お金や体力が変わったら、バケットリストも変えていい
60代、70代になると、体力や健康状態、お金、家族の事情などによって、できることが変わる場合があります。
以前は「海外旅行へ行きたい」と思っていたけれど、長時間の移動が負担になってきた。
そんなときは、
「行ったことのない近県へ一泊する」
に変えてもいいでしょう。
「山に登る」と書いたものの体力的に難しくなったなら、
「ロープウェイで山の景色を見に行く」
という楽しみ方もあります。
一度書いた内容を、あとから変えても構いません。
反対に、最初は思いつかなかったことを途中で追加してもいい。
そのときの自分に合わせて変わっていくノートと考えれば、無理なく続けられます。
できたことは消さずに残してみる
私なら、実際にできた項目は消さずに残しておきたいと思います。
横に小さく○をつけて、
「2026年春」
と日付を書いておく。
写真を一枚貼ったり、
「思っていたより楽しかった」
と一言だけ書いたりするのもよさそうです。
数年後にノートを開けば、そこには「これからやりたいこと」だけでなく、自分が実際にやってきたことも残っています。
予定表だったものが、少しずつ思い出の記録にもなっていく。
それもバケットリストの楽しみ方の一つだと思います。
今日、「ちょっとやってみたいこと」を一つだけ
エンディングノートについて考えたことが、今回バケットリストを考えるきっかけになりました。
これまでのことを整理しておくのも大切。
でも、それと同じくらい、
「これから何をしてみよう?」
と考える時間があってもいいと思うのです。
大きな夢でなくても構いません。
行きたい場所でも、食べたいものでも、会いたい人でも、新しく覚えたいことでもいい。
バケットリストは、残りの時間を数えるためではなく、これからの楽しみを見つけるためのリストとして使うこともできます。
まずは今日、
「ちょっとやってみたいこと」
を一つだけ書いてみませんか。
その一行から、次の楽しみが見つかるかもしれません。
参考資料
内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査」
内閣府「令和4年版 高齢社会白書」



