60代・70代から始める園芸|鉢ひとつ、野菜ひとつから楽しめるシニアの趣味

「何か趣味を始めたいけれど、今から何をすればいいだろう」

60代、70代になって時間に少し余裕ができると、新しいことを始めてみたくなることがあります。

そんなとき、私がまず思い浮かべるのが園芸です。

小さな鉢で花と長ねぎを育てる園芸の様子

園芸というと、広い庭にたくさんの花を植えたり、本格的な家庭菜園を作ったりするイメージがあるかもしれません。

でも、そこまで大きく考えなくても大丈夫です。

小さな鉢ひとつ、育ててみたい植物ひとつからでも始められます。

花なら、つぼみができて咲くまでの変化を眺められます。野菜や薬味なら、育てたものを少し収穫して食卓に使うこともできます。

最初から上手に育てようとするより、

「毎日ちょっと見てみたい」

と思える植物を一つ選ぶ。

シニアの趣味として園芸を始めるなら、それくらい気軽なスタートでも十分ではないでしょうか。

シニアの園芸は鉢ひとつから始められる

最初からたくさんの植物をそろえる必要はありません。

初めてなら、

  • 鉢やプランターを1~2個

  • 育ててみたい花や野菜

  • 植物に合った土

  • じょうろ

くらいから始めると管理しやすくなります。

庭がなくても、日当たりや風通しなどの条件が合えば、ベランダや玄関先で育てられる植物もあります。

大切なのは、たくさん育てることではなく、自分が無理なく世話を続けられる量にすることです。

毎日たくさんの鉢を見るのが負担になるなら、一鉢だけでもかまいません。

小さく始めて、もう少し育ててみたくなったら一つ増やす。

そのくらいのペースでも十分です。

花を楽しむ?それとも育てて食べる?

花を育てる園芸と食べられる植物を育てる園芸の違い

園芸を始めるときは、まず「何を育てたいか」よりも、何をしてみたいかから考えると選びやすくなります。

花を見るのが好きなら、花が咲く植物。

料理が好きなら、普段よく使う野菜や薬味。

それぞれに違ったよさがあります。

花なら咲くまでの変化も見られる

花は、咲いた瞬間だけを見るものではありません。

新しい葉が出たり、小さなつぼみができたり、少しずつ姿が変わっていきます。

朝に鉢を見て、

「昨日より少し大きくなったかな」

と気づくこともあります。

好きな色の花を一鉢置くだけでも、玄関やベランダの雰囲気が少し変わります。

季節ごとに植物を入れ替えてみるのも一つの方法です。

野菜や薬味なら収穫して食べられる

私が今育てているのは長ねぎです。

本格的な家庭菜園というほど大きなものではありません。

それでも少しずつ伸びてくるので、「また伸びたな」とつい見てしまいます。

必要なときに少し収穫して料理に使えるのもいいところです。

自分で育てた長ねぎを料理に入れると、スーパーで買ってきたものとは少し違ったうれしさがあります。

「園芸を始める」と聞くと少し大げさに感じても、ねぎや薬味を一つ育てるくらいなら挑戦しやすいでしょう。

大きな畑がなくても、自分で育てて、自分で食べるという経験はできます。

初心者は自分が育てたいものを一つ選ぶ

初心者向けの植物を調べると、

「育てやすい花」
「失敗しにくい野菜」

といった情報がたくさん出てきます。

もちろん育てやすさも大切です。

でも、私は自分が好きかどうかも同じくらい大切だと感じます。

花を見るのが好きなら、自分の好きな色の花。

料理に使いたいなら、普段よく食べる野菜や薬味。

興味のない植物を「簡単だから」という理由だけで育てるより、

「これが育ったらうれしい」

と思えるもののほうが、自然と様子を見たくなります。

ただし、植物によって育てやすい季節や必要な日当たり、水やりの方法などは違います。

苗や種を買うときは表示を見たり、分からない場合は園芸店で聞いたりして、自宅の環境に合うものを選ぶと安心です。

水やりは「毎日必ず」と決めなくてもいい

園芸を始めると、

「毎日水をあげなければ」

と思うかもしれません。

でも、水の必要量や水やりの頻度は植物や季節、鉢の大きさなどによって変わります。

水が少なすぎるだけでなく、必要以上に与えることで植物が弱ってしまう場合もあります。

そのため、最初に苗や種の説明を読み、育てる植物に合った水やりの方法を知っておくと管理しやすくなります。

「朝になったから必ず水をやる」と決めるより、土の状態を見ながら世話をする習慣をつけるのもよいでしょう。

園芸は毎日の小さな変化を見つけやすい

園芸のおもしろさは、大きな変化がなくても続いていくところにあります。

昨日はなかった芽が出ていた。

小さなつぼみが一つ増えた。

長ねぎがまた少し伸びていた。

ほんの少しの変化でも、自分で育てていると意外と気づくものです。

毎日何時間も必要な趣味でなくても、

「今日はどうなったかな」

と鉢を見に行くきっかけになります。

健康のために必ず続けなければ、と考える必要もありません。

趣味なのですから、自分が負担なく続けられる範囲で楽しむのが一番です。

腰や膝に負担をかけない置き方を考える

シニア世代が園芸を続けるなら、植物だけでなく自分が作業しやすい環境も考えておきたいところです。

地面に置いた鉢の世話をするたびに深くしゃがむのがつらい場合は、無理をしないようにします。

安定した台などを利用して、自分が手を伸ばしやすい高さに置く方法もあります。

また、大きな鉢や土の入ったプランターは、見た目以上に重くなることがあります。

最初から大型のプランターをいくつも用意するより、小さな鉢から始めたほうが移動や管理もしやすくなります。

もう一つ気をつけたいのが置き場所です。

鉢やじょうろを普段歩く場所に置いていると、足を引っかける原因になることがあります。

玄関やベランダでは、人が通る場所をふさがない位置に置くことも意識しておきたいところです。

「たくさん育てる」より、「無理なく安全に世話できる」を優先すると続けやすくなります。

無理なく園芸を続けるための鉢の置き方と暑さ対策

夏の園芸は暑い時間帯を避ける

園芸で特に注意したいのが夏です。

「水やりだけだから」

と庭やベランダに出ても、暑い日は短い時間でも身体に負担がかかることがあります。

厚生労働省は熱中症予防として、暑さを避けることや、屋外では日傘や帽子を利用すること、こまめに水分を補給することなどを案内しています。また、高齢者は暑さや水分不足を感じる機能が低下することなどから、特に注意が必要とされています。

そのため、真夏の園芸では、

「植物のために今すぐ水をやらなければ」

と無理をしないことが大切です。

暑さが厳しい時間帯を避ける、帽子を使う、途中で休む、水分をとるなど、その日の天候や体調に合わせましょう。

熱中症警戒アラートなどが発表されるほど暑い日は、屋外での作業を控えるという判断も必要です。

園芸は上手に育てることだけが目的ではない

せっかく苗を買っても、思ったように育たないことはあります。

花が咲かなかったり、野菜が思ったほど収穫できなかったりすることもあるでしょう。

それでもいいのではないでしょうか。

園芸は、立派な花をたくさん咲かせたり、大量の野菜を収穫したりしなければ意味がないものではありません。

水をあげて、

「今日は元気かな」

と見てみる。

新しい葉が出たら、少しうれしくなる。

野菜が育ったら、一度でも収穫して料理に使ってみる。

それだけでも十分、趣味になります。

私が育てている長ねぎも、大きな家庭菜園ではありません。

それでも少しずつ伸びる姿を見て、必要なときに料理に使える。

そのくらいの園芸が、私にはちょうどよく感じます。

60代、70代になって、

「何か新しい趣味を始めたい」

と思ったら、最初から大きなことを始めなくても大丈夫です。

庭がなくてもいい。
たくさん育てなくてもいい。
鉢ひとつ、野菜ひとつからでもいい。

まずは園芸店をのぞいて、

「これなら育ててみたい」

と思える植物を一つ探すところから始めてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい


参考資料

厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」

厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」

※植物の育て方や適した環境、水やりの頻度などは植物の種類や季節によって異なります。購入時の表示や園芸店などの案内を参考にし、無理のない範囲で楽しんでください。

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