年金生活の節約は何から始める?シニア世代が先に見直したい7つの支出
いつもと同じような物を買ったつもりなのに、レジの金額を見ると以前より高い。そんな場面が珍しくなくなりました。
食料品だけでなく、電気やガス、スマホ代など、暮らしているだけで毎月出ていくお金があります。年金を中心に生活していると、値上がりのたびに「どこから減らせばいいのだろう」と考えることもあります。
だからといって、食事を減らしたり、暑い日にエアコンを止めたりするところから始める必要はありません。
先に見直したいのは、健康や安全に必要なお金ではなく、毎月何となく払い続けている支出や、使い方を変えれば減らせる部分です。
一度見直せば翌月以降も支出が減る固定費もあります。
ここでは、年金生活の家計を見直すときに、先に確認したい7つのポイントを順番に紹介します。
1.食事・冷暖房・医療費は最初に削らない
節約というと、毎日の食費や電気代から減らそうと考えがちです。
しかし、シニア世代では「安くすること」だけでなく、健康や安全を保てるかどうかも一緒に考える必要があります。
例えば、真夏に電気代を気にしてエアコンを使わなければ、室内でも熱中症になる危険があります。高齢になると暑さや喉の渇きを感じにくくなることもあるため、「自分はまだ暑くないから大丈夫」と感覚だけで判断しないことも重要です。
食費も、食べる量そのものを減らすより、冷蔵庫で使い切れずに捨てている食品や、重複して買っている物がないかを見るほうが現実的です。
通院や必要な薬も同じです。
節約を始める前に、
「健康と安全に必要な支出は削りすぎない」
という線を一本引いておくと、見直す場所を判断しやすくなります。
高齢者が利用できる暑さ対策や地域の支援については、👉「高齢者の熱中症対策に使える支援は?クーリングシェルター・エアコン助成・見守り制度を解説」でも詳しく紹介しています。
2.買い物は回数を決めるより、家にある物を見てから行く
「買い物を週2回にすれば節約できる」と単純には言えません。
一人暮らしなら、一度に大量に買っても食べ切れないことがあります。重い米や飲料をまとめて運ぶのが負担になる方もいるでしょう。
回数より先に変えやすいのが、買い物へ出る前のひと手間です。
冷蔵庫、冷凍庫、食品棚をざっと見て、足りない物だけメモします。
スーパーで特売品を見つけても、家に同じ物が二つ残っているなら今回は買わない。
これだけでも「安かったから買ったのに使わなかった」という出費を防ぎやすくなります。
毎回きれいな買い物リストを作る必要はありません。紙に数品書いて持っていく程度でも、買う物がはっきりします。
3.食費は「自炊した回数」より食品を捨てていないかを見る
外食を減らして毎日自炊すれば、必ず食費が下がるわけではありません。
特に一人分の料理では、野菜や調味料を何種類もそろえたものの、使い切れないことがあります。
毎食一から作るのが負担なら、惣菜や冷凍食品を利用しても構いません。
ご飯だけ炊いておかずは惣菜にする。冷凍野菜を味噌汁に入れる。多めに作った料理は一食分ずつ冷凍する。
こうした組み合わせなら、調理の負担を減らしながら食材も使いやすくなります。
食費を見るときは、
「今日は自炊できたか」ではなく「買った物を食べ切れたか」
を一つの目安にすると分かりやすくなります。
安さだけを優先して食事の量や内容まで削るのは避けたいところです。
4.ポイントは「貯めるための買い物」をしない
スーパーやドラッグストアでは、ポイントが多く付く日やキャンペーンがあります。
普段の買い物で自然に貯まるポイントなら、家計の助けになります。
一方、
「今日はポイント5倍だから」
と予定になかった商品まで買えば、支払う金額そのものが増えてしまいます。
ポイントサービスも、たくさん登録すれば得になるとは限りません。カードやアプリが増えるほど、残高や有効期限を管理する手間も増えます。
普段利用するスーパーやドラッグストアなど、自分がよく使う店のものに絞るくらいでも十分です。
必要な物を買った結果としてポイントが付く。
順番を逆にしないことがポイントです。
5.スマホ料金は乗り換える前に利用状況を見る
スマホ料金は毎月発生するため、契約内容が今の使い方に合っていれば、その後の固定費を抑えられる可能性があります。
ただし、料金だけを見て格安SIMやオンライン専用プランへ急いで変更する必要はありません。
まず、毎月のデータ通信量と通話時間を見てみます。
ほとんどデータ通信を使っていないのに大容量プランを契約しているなら、現在の通信会社の中でも小さなプランに変更できる場合があります。
端末代を分割払いしている場合は、月額料金の中に端末代が含まれていないかも見ておきます。
また、店舗で操作方法や契約について相談している方にとっては、店頭サポートもサービスの一部です。
月額料金だけを比較してサポートのないプランへ移り、困ったときに相談できなくなっては不便です。
使っていない通信量やオプションに料金を払っていないか。
乗り換えを考えるのは、それを確認してからでも遅くありません。
6.通帳やカード明細から毎月の引き落としを洗い出す
固定費の中でも見つけやすいのが、毎月自動的に引き落とされているサービスです。
動画配信、音楽、電子版の新聞や雑誌、アプリ、クラウドサービスなど、一つ一つは数百円程度でも複数契約していることがあります。
通帳やクレジットカードの明細を数か月分見て、同じ名前で毎月引き落とされているものを探してみます。
見つけたら、
「今も使っている」
「契約したことは覚えているが、最近使っていない」
「何の料金か分からない」
くらいに分ければ十分です。
今も楽しんでいるサービスを節約のためだけに解約する必要はありません。
狙いたいのは、存在を忘れて料金だけ払い続けている契約です。
なお、クラウドストレージなどを解約するときは、写真やデータが保存されていないか先にチェックしておきましょう。
7.利用できる公的制度を「自分は対象外」と決めつけない
支出を見直すだけでなく、利用できる制度を知っておくことも家計管理の一部です。
高齢者向けの制度には、医療、介護、住宅、暑さ対策などさまざまなものがあります。自治体独自の制度は、住んでいる地域によって対象者や内容が異なります。
また、一定の要件を満たす年金受給者には「年金生活者支援給付金」という制度があります。
対象になるかどうかは、受給している年金や所得、世帯の課税状況などによって異なるため、日本年金機構の公式情報で確認する必要があります。
「年金を受け取っているから使えないだろう」「自分には関係ないだろう」と最初から決めず、市区町村のホームページや広報紙を時々見ておくと、利用できる制度に気づきやすくなります。
分かりにくい場合は、市区町村の担当窓口や年金事務所などで対象になる制度がないか尋ねる方法もあります。
年金生活の節約は「毎月出ていくお金」から見直す
どこから始めればよいか迷ったら、毎日の食事を細かく削るより、まず毎月自動的に出ていくお金から見ると整理しやすくなります。
順番をつけるなら、
使っていない契約
→ スマホなどの固定費
→ 食品の買い過ぎや廃棄
→ ポイントや買い物の習慣
という流れで確認できます。
一方、必要な食事、冷暖房、医療など、健康と安全に関わる部分は削りすぎない。
全部を同じ日に見直す必要もありません。
今月はカード明細、次はスマホ料金、その次の買い物では冷蔵庫を見てから出かける。
一つ終われば、それで一歩進んでいます。
節約のために毎日の楽しみまで次々に手放すのではなく、払わなくても困らないお金を先に見つける。
年金生活の家計を整えるなら、そこから始めるほうが長く続けやすいでしょう。
よくある質問
年金生活では何から節約するのがいいですか?
まずはスマホ料金やサブスクなど、毎月自動的に支払っている固定費をチェックすると始めやすくなります。
使っていない契約を一つ解約すれば、翌月以降も支出を減らせます。その後、食品の買い過ぎや普段の買い物を見直すと整理しやすくなります。
食事、冷暖房、必要な医療などは、金額だけを理由に削りすぎないようにします。
一人暮らしなら外食をやめて自炊したほうが節約になりますか?
必ずしもそうとは限りません。
一人分のために多くの食材を買い、使い切れずに捨ててしまえば食費が高くなることもあります。
自炊だけにこだわらず、惣菜、冷凍食品、冷凍野菜などを組み合わせ、購入した食品を食べ切ることを意識するほうが続けやすい場合があります。
ポイントカードはたくさん持ったほうがお得ですか?
数を増やせば必ず得になるわけではありません。
普段使う店のポイントに絞ったほうが管理しやすく、ポイントを得るための余計な買い物も避けやすくなります。
必要な物をいつもの店で買い、その結果として貯まったポイントを使う程度でも十分です。
夏場は、固定費を減らしたくてもエアコンの使用を我慢するのは避けたいところです。
あわせて読みたい
👉「年金生活の夏の電気代を抑えるには?エアコンを我慢しない7つの節約方法」では、冷房を安全に使いながら、フィルターや日差し対策、家電の使い方などから電気代を見直す方法をまとめています。
今回調べる中で参考にしたもの
総務省統計局「家計調査」
日本年金機構「年金生活者支援給付金」
日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」



