暑くて眠れない夜はどうする?シニア世代の熱帯夜対策と眠りやすい寝室の整え方
夜中に暑さで目が覚めて時計を見ると、まだ午前2時。寝る前に冷房を切った部屋が、いつの間にか蒸し暑くなっている。
「エアコンをつけたまま寝るのは体によくないのでは」「電気代も気になる」と考えて、暑くてもそのまま我慢してしまうことがあるかもしれません。
ただ、高齢になると暑さや喉の渇きを感じにくくなることがあります。環境省も、高齢者は熱中症になりやすいため、室内でもエアコンなどを使って涼しい環境で過ごすよう呼びかけています。
暑くて眠れない夜に最初に見直したいのは、高価な寝具や快眠グッズではありません。
寝室が暑くなっていないか、冷房を適切に使えているか、日中から水分を取れているか。
まずは、この3つから確認してみましょう。
寝る前に寝室の温度を確認する
暑い夜には「エアコンを何度に設定すればいいのだろう」と迷います。
ただし、リモコンに表示されている設定温度と、実際の寝室の温度は同じとは限りません。
部屋の日当たりや広さ、住宅の断熱性、エアコンとベッドの位置などによっても変わります。
そのため、設定温度だけを見るのではなく、実際の寝室がどのくらい暑くなっているかを見ることが大切です。
温度計や温湿度計を寝室に置いておけば、感覚だけに頼らず確認できます。
特に高齢になると暑さを感じにくくなることがあるため、「それほど暑く感じないから大丈夫」と判断するのではなく、室内環境も一緒に見ておくと安心です。
熱帯夜はエアコンを我慢して寝ない
「寝るまではエアコンを使い、タイマーで切る」という方もいるでしょう。
タイマーを使うこと自体に問題があるわけではありません。
ただ、冷房が止まったあとに室温が上がり、暑さで何度も目が覚めるのであれば、使い方を変えてみる余地があります。
夜間も暑さが続く日は、寝ている間も冷房を適切に使います。
冷たい風が直接体に当たって寒く感じるなら、風向きを変えたり、風量を調整したり、寝具の厚さを見直したりしてみましょう。
エアコンを切ること自体を目的にするのではなく、暑さを我慢せず、安心して眠れる寝室環境を整えることを優先します。
寝る前だけでなく日中から水分を取る
夏は眠っている間にも汗をかきます。
寝る直前に慌てて大量に飲むのではなく、暑い日は日中からこまめな水分補給を意識します。
寝る前にも喉が渇いているなら、無理のない範囲で水分を取っておきます。
夜中に目が覚めたときのために、手の届く場所へ飲み物を用意しておく方法もあります。ただし、暗い部屋で歩いて取りに行く必要がないよう、置き場所には気をつけたいところです。
心臓や腎臓などの病気で、医師から水分量について指示を受けている方は、その指示を優先してください。
また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは眠りに影響することがあります。夕方以降に眠れないことが多い場合は、飲む時間や量も一度振り返ってみましょう。
夏の寝具は「冷たさ」だけで選ばない
接触冷感シーツや夏用の枕カバーなど、暑い時期向けの寝具はたくさんあります。
使って心地よく感じるのであれば取り入れて構いませんが、「冷感」と書かれた商品をそろえれば必ず眠りやすくなるわけではありません。
寝具を見るときは、冷たさだけでなく、
蒸れにくさ、汗を吸いやすいか、重すぎないか、洗濯しやすいか
といった点も確認します。
エアコンを強くして厚い布団をかけるより、季節に合わせて掛け物を薄くするほうが快適に感じることもあります。
まず寝室と今使っている寝具を見直してから考えれば、高価な「快眠グッズ」を最初から買いそろえなくても済みます。
入浴するなら熱すぎるお湯や長湯を避ける
入浴すると気持ちが落ち着く方なら、眠る前の過ごし方の一つとして取り入れてもよいでしょう。
ただ、暑い日に熱いお湯へ長く入ると汗を多くかき、かえって寝苦しく感じることもあります。
湯船に入る場合は熱すぎないお湯で負担のない範囲にとどめ、入浴後は水分も補います。
体調がすぐれない日は、いつもの入浴方法にこだわらず、その日の体調を優先しましょう。
長い昼寝で夜の眠気を減らさない
夜によく眠れなかった翌日は、昼間についウトウトしてしまいます。
昼寝そのものが悪いわけではありませんが、午後に長く眠ってしまうと、夜になっても眠気が来にくくなることがあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、高齢者は長時間の昼寝を避け、日中はできるだけ活動的に過ごすことが勧められています。
夜眠れなかったからといって昼間に何時間も寝て埋め合わせるより、昼寝が長くなりすぎていないかを見てみます。
夕方のテレビ中など、気づかないうちに長く居眠りしている場合も同じです。
朝から昼に光を取り入れ、夜とのメリハリをつける
夜の眠りは、夜だけで決まるわけではありません。
厚生労働省の高齢者向け睡眠ガイドでは、日中に光を浴びることや、無理のない範囲で体を動かすことなどが、睡眠・覚醒リズムを整えるためのポイントとして紹介されています。
朝起きたらカーテンを開け、室内に明るさを取り入れます。
真夏の暑い時間帯に外へ出て日光を浴びようとする必要はなく、外出や運動をするなら暑さを避けて体調に合わせます。
朝と昼は明るく活動し、夜はゆっくり休む。
夜だけ何とかしようとせず、1日の過ごし方にメリハリをつけることも、眠りを整えるヒントになります。
暑くて眠れない夜は、この3つから確認する
寝具、入浴、昼寝など工夫できることはいくつかありますが、熱帯夜に全部を一度に変える必要はありません。
今夜なら、まず次の3つです。
寝室が暑くなっていないか。
エアコンを我慢していないか。
日中から水分を取れているか。
ここを確認したうえで、暑さ以外にも眠れない日が続くなら、長い昼寝、夕方の居眠り、カフェイン、昼間の活動量なども振り返ってみます。
年齢とともに睡眠時間や眠り方が変わること自体は珍しくありません。
一方で、眠れない状態が長く続いて日中の生活に支障が出る、強い眠気がある、家族から大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されるといった場合は、「年齢のせい」と決めつけず、医療機関へ相談してください。
よくある質問
暑い夜はエアコンを朝までつけてもいいですか?
夜中も寝室が暑くなる場合は、エアコンを適切に使って室内環境を整えます。
「朝までつけるか」「タイマーで切るか」だけで考えるのではなく、実際の寝室の温度や体調を見ながら判断することが大切です。
風が直接当たって寒い場合は、風向きや風量、寝具を調整してみましょう。
シニア世代は何時間眠ればいいですか?
必要な睡眠時間には個人差があり、「高齢者なら必ず○時間眠るべき」と一律には決められません。
厚生労働省の高齢者向け睡眠ガイドでは、長すぎる床上時間を避け、寝床で過ごす時間(床上時間)が8時間以上にならないことを一つの目安としています。
ここでいう8時間は「実際に眠った時間」ではなく、寝床で過ごす時間の目安です。
必要な睡眠時間には個人差があるため、数字だけでなく、朝起きたときに休まった感覚があるか、日中に強い眠気がないかも一緒に見ていきます。
夜中に何度も目が覚めるのは年齢のせいですか?
加齢に伴って眠りが浅くなり、夜中に目が覚めることが増える傾向はあります。
ただし、すべてを年齢だけで説明できるわけではありません。
暑さのほか、夜間の頻尿、痛み、薬の影響、睡眠時無呼吸などが関係する場合もあります。
何度も目が覚める状態が続き、日中の生活にも影響している場合は医療機関で相談してください。
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夏の夜にエアコンを使うと、今度は電気代が気になるかもしれません。
👉「年金生活の夏の電気代を抑えるには?エアコンを我慢しない7つの節約方法」では、冷房を止めるのではなく、日差し対策やフィルター掃除、家電の使い方などから夏の電気代を見直す方法をまとめています。
参考資料
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)高齢者版」
環境省「熱中症予防情報サイト」
日本睡眠学会「高齢者の睡眠障害」

