高齢になるとゴミ出しが大変に?負担を減らす工夫と自治体の支援

毎週当たり前のようにしているゴミ出し。

わが家では普段、夫がゴミを出してくれています。夫が仕事などでいないときは私が出すのですが、今週はちょうど私がゴミ出しをすることになりました。

生ゴミの入った袋を持って集積所まで歩き始めると、思っていた以上に重く、途中で2回ほど立ち止まって休みました。

そのとき、ふと母のことが頭に浮かびました。

「私でもこんなに重いのに、母は毎回どうしているんだろう」

重いゴミ袋を持って集積所へ向かう途中で休む女性

ゴミ出しは、普段はそれほど意識しない家事です。でも、重い袋を持って玄関を出て、集積所まで歩き、決められた曜日や時間に合わせて出しに行くことを考えると、年齢とともに負担が大きくなる家事の一つなのかもしれません。

特に一人暮らしの高齢者や、近くに家族がいない場合は、「少し重いから今日は誰かに頼もう」と簡単にはいかないこともあります。

ゴミ出しが以前より大変になってきたと感じたら、無理に今までと同じやり方を続ける必要はありません。

まずはゴミを重くしすぎないこと、収集日を分かりやすくすること、家の中にためすぎないことから見直してみましょう。

それでも難しい場合には、家族に相談したり、自治体のゴミ出し支援を調べたりする方法もあります。

高齢になるとゴミ出しの何が大変になる?

ゴミ出しで負担になりやすいのは、やはり「運ぶこと」です。

特に新聞や雑誌、びん、缶などは、少しずつためているうちにかなりの重さになります。

燃えるゴミでも、生ゴミなどが多ければ見た目以上に重くなることがあります。

戸建てなら玄関から集積所まで運ばなければなりませんし、集合住宅でも廊下を歩いたり、エレベーターを使ったりしてゴミ置き場まで移動する必要があります。

さらに雨の日や真夏、冬の寒い朝などは、普段より外へ出ること自体が負担になることもあるでしょう。

環境省も、高齢化や高齢者のみの世帯の増加などを背景として、家庭からの日々のゴミ出しに困る人がいることを取り上げています。

そのため、自治体が高齢者のゴミ出しを支援する際の参考となる「高齢者のごみ出し支援制度導入の手引き」も作成されています。

「ゴミ出しが以前より大変になった」と感じることは、特別なことではありません。

大切なのは、できなくなるまで我慢するのではなく、少し負担を感じ始めた段階で暮らし方を見直すことだと思います。

まずはゴミを重くしすぎない工夫から

ゴミ袋にまだ余裕があると、

「もう少し入れてから出そう」

と思うことがあります。

でも、袋いっぱいまで入れると、その分だけ重くなります。

一度に大きな袋を運ぶことにこだわらず、地域のゴミ出しルールを確認したうえで、自分が無理なく持てる量にすることも一つの方法です。

新聞や雑誌、段ボール、ペットボトルなども同じです。

「まだ置く場所があるから」とためてしまうと、いざ出すときに大変になります。

特に新聞や雑誌は、まとめると想像以上に重くなるものです。

たまってから一度に出すより、量が少ないうちにこまめに整理したほうが負担を減らしやすくなります。

私自身も、高齢の家族の家を見るときは「部屋が片づいているか」だけではなく、新聞や段ボールなど、重くなりやすいものがたまっていないかを見ることも大切なのだと感じるようになりました。

ゴミを重くしすぎず少ないうちに出す工夫

家の中にゴミをためない仕組みを作る

ゴミ出しを楽にするためには、家の中でのゴミの管理も見直してみましょう。

たとえば、家中にたくさんのゴミ箱があると、捨てるときは便利でも、収集日に一つずつ回収する作業が必要になります。

特に2階建ての家では、ゴミを持って階段を下りることが負担になる場合があります。

もちろん、無理にゴミ箱を減らす必要はありません。

よく過ごす場所には小さなゴミ箱を置き、最後にまとめやすい場所を決めておくなど、自分が使いやすい方法を考えてみるとよいでしょう。

「どこに置けば便利か」だけでなく、**「捨てる日に集めやすいか」**という視点で考えてみると、使いやすい配置が見つかるかもしれません。

ゴミの収集日は大きな文字で分かりやすく

燃えるゴミの日は覚えていても、月に1~2回しかない不燃ゴミや資源ゴミの日は、ついうっかり忘れてしまうことがあります。

そんなときは、冷蔵庫や玄関など毎日目にする場所に収集日を書いておくと確認しやすくなります。

たとえば、

「月・木 燃えるゴミ」
「第2水曜 資源ゴミ」

というように、必要な情報だけを大きな文字で書いておく方法です。

細かな説明まで全部書くより、自分が間違えやすい曜日だけを目立たせたほうが見やすい場合もあります。

自治体によっては、ゴミの分別方法や収集日を確認できるアプリなどを提供している場合もあります。

スマートフォンを使っている方なら、カレンダーや通知機能を利用して前日に確認できるようにしておくのも便利です。

ゴミ出しのときこそ急がない

「もうすぐ収集時間だから急がなくては」

そんな朝もあると思います。

けれど、重いゴミ袋を持っているときに急いで玄関の段差を下りたり、雨でぬれた場所を歩いたりするのは注意が必要です。

特に両手にゴミ袋を持ってしまうと、足元が見えにくくなったり、バランスを崩したときに手をつきにくくなったりします。

できれば一度に全部運ぼうとせず、無理なく持てる量にしましょう。

前日のうちにゴミをまとめておくなど、朝に慌てなくてもよいように準備しておく方法もあります。

ただし、ゴミを出せる時間や場所は地域によって異なります。実際に集積所へ出す時間については、お住まいの地域のルールを確認してください。

一人で難しくなったら家族や周囲に相談する

「ゴミくらい自分で出さないと」

そう思う方もいるかもしれません。

でも、すべてを一人で続けることだけが方法ではありません。

普段の燃えるゴミは自分で出せても、新聞や段ボールのような重いものだけ家族にお願いすることもできます。

家族側も、帰省したときにゴミがたまっているのを見つけたら、

「どうして捨てていないの?」

とすぐに決めつけるのではなく、

「これ重そうだけど、持っていこうか?」

と聞いてみるほうが話しやすいかもしれません。

実際には「捨てたくない」のではなく、「重くて運びにくい」「収集日を逃してしまった」など、別の理由があることも考えられます。

ゴミのたまり方は、日々の暮らしで困っていることに気づくきっかけの一つにもなります。

自治体の「ゴミ出し支援」が利用できる場合も

自分や家族だけではゴミ出しを続けることが難しくなってきたら、お住まいの市区町村の制度も確認してみましょう。

自治体によっては、高齢者や障害のある方など、決められた集積所まで自分でゴミを運ぶことが難しい人を対象に、玄関先などからゴミを回収する支援を行っている場合があります。

環境省の「高齢者のごみ出し支援制度導入の手引き」では、自治体が直接支援する方法だけでなく、民間事業者への委託や地域の協力、福祉サービスと連携する方法など、さまざまな取り組みが紹介されています。

ただし、制度の名称や対象となる人、年齢、世帯状況、利用条件、回収方法などは自治体によって異なります。

高齢者であれば誰でも利用できるとは限りません。

まずはインターネットで、

「〇〇市 高齢者 ゴミ出し支援」

などと検索してみるとよいでしょう。

市区町村のゴミ収集担当や高齢者福祉の窓口に問い合わせる方法もあります。

ゴミ出しが難しいときの家族や自治体への相談先

どこに相談すればいいか分からないときは

ゴミ出しだけではなく、買い物や掃除など日常生活でも困ることが増えてきた場合は、地域包括支援センターに相談する方法もあります。

地域包括支援センターは、高齢者の暮らしや介護、福祉などについて相談できる地域の窓口です。

「ゴミ出しだけで相談してもいいのかな」と迷うこともあるかもしれません。

その場合でも、生活の中で何に困っているのかを伝えることで、利用できる制度や地域のサービスについて相談できる場合があります。

なお、実際のゴミ回収制度の申請窓口や利用条件については自治体によって異なるため、市区町村の担当部署にも確認してください。

ゴミがたまり始めたときに家族が確認したいこと

以前は定期的にゴミを出していたのに、最近になって新聞や段ボール、ゴミ袋などが目立つようになった。

そんな変化に家族が気づくこともあります。

そのときに「片づけられなくなった」とすぐに考えるのではなく、まず理由を聞いてみることが大切です。

重くて持てないのかもしれません。

収集日が分かりにくいのかもしれません。

集積所まで歩くことが負担になっている可能性もあります。

理由が分かれば、「新聞だけ家族が出す」「収集日を大きく書いておく」「自治体に相談する」など、必要な部分だけを手伝うことができます。

何でも代わりにしてしまうのではなく、本人ができることは続けながら、大変なところだけを補う方法を考えてみるのもよいでしょう。

「まだできる」より「無理なく続けられる」を大切に

ゴミ出しは、一度終わればそれで済む家事ではありません。

生活している限り、これからも繰り返し続きます。

だからこそ、「まだ一人でできるから大丈夫」と考えるだけではなく、今の方法を無理なく続けられるかという視点も大切です。

まずはゴミを重くしすぎない。

収集日を分かりやすくする。

家の中にためすぎない。

それだけでも負担が軽くなる場合があります。

それでも難しくなってきたら、家族に相談したり、自治体の支援制度を調べたりしてみましょう。

年齢とともに暮らし方を少しずつ変えていくことは、特別なことではありません。

毎週のゴミ出しも、今の自分に合った無理のない方法を見つけていきたいですね。

よくある質問

高齢者向けのゴミ出し支援は、どこの自治体にもありますか?

すべての自治体に同じ制度があるわけではありません。制度の有無や名称、対象者、利用条件、回収方法などは地域によって異なります。まずはお住まいの市区町村のホームページなどで確認してみましょう。

ゴミ出しが大変になったら、どこに相談すればいいですか?

市区町村のゴミ収集担当や高齢者福祉の窓口に問い合わせる方法があります。日常生活全般について困っていることがある場合は、地域包括支援センターに相談する方法もあります。

家族はどこまで手伝えばいいですか?

すべてのゴミ出しを代わりにする必要はありません。新聞や段ボールなど重いものだけを手伝う、収集日を一緒に確認するなど、本人が困っている部分から考えてみるとよいでしょう。

参考資料

環境省 高齢者のごみ出し支援制度導入の手引き

環境省「高齢化社会に対応した廃棄物処理体制」
環境省 令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

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