実家へ帰省したら確認したい10のチェックリスト|高齢の親の暮らしを見守るポイント
お盆や年末年始など、久しぶりに実家へ帰省する時期になると、「親は元気に過ごしているかな」と気になる方も多いのではないでしょうか。
特に、一人暮らしをしている高齢の親がいる場合は、短い帰省でも生活の様子を確認できる大切な機会になります。
私の父も韓国で一人暮らしをしています。以前は顔色や体調ばかり気にしていましたが、浴室で転倒して肋骨を痛めたことをきっかけに、今では冷蔵庫や薬の残り、玄関や廊下の様子なども自然に見るようになりました。
帰省したとき、まず確認したいのは次の10項目です。
冷蔵庫に古い食品が残っていないか
薬が予定どおり減っているか
玄関や廊下に転びやすい物がないか
エアコンを無理なく使えているか
飲み水や非常食が備わっているか
病院や生活の予定を把握できているか
緊急連絡先が見やすい場所にあるか
電話やスマートフォンを問題なく使えるか
掃除やゴミ出しが負担になっていないか
最近困っていることはないか
全部を一度に調べる必要はありません。会話や食事を楽しみながら、気になる場所を少しずつ見ていくことが大切です。
高齢の親の家で確認しておきたい理由
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしは男女ともに増加しています。離れて暮らす家族にとって、帰省は普段の電話だけでは分からない生活の変化に気付く機会にもなります。
確認する場所と主な目的を簡単にまとめると、次のようになります。
| 確認する場所・物 | 気付きやすい変化 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 食欲、買い物、食品管理の状況 |
| 薬 | 飲み忘れ、残薬、管理の負担 |
| 玄関・廊下 | つまずきや転倒の危険 |
| エアコン | 暑さや寒さを我慢していないか |
| 電話・予定表 | 連絡手段や生活予定の管理 |
| ゴミ・掃除 | 家事が負担になっていないか |
本人を問い詰めるのではなく、「一緒に整理しようか」「使いにくいところはない?」と声を掛けると、話しやすくなる場合があります。
実家へ帰省したら確認したい10のポイント
1.冷蔵庫の中を確認する
賞味期限や消費期限が過ぎた食品、開封したままの食品、同じ商品がいくつも残っていないか見てみましょう。
冷蔵庫の中には、食欲の低下だけでなく、買い物へ行くことが負担になっている様子が表れることもあります。勝手に処分せず、本人に確認しながら一緒に整理するのが安心です。
2.薬の残り方と置き場所を見る
処方された日数に対して薬が多く残っている場合は、飲み忘れや飲みにくさがあるのかもしれません。
私の父は、薬袋に日付を書き、飲んだ日は印を付けています。最初は少し手間に感じたようですが、残りを本人と家族の両方が確認しやすくなりました。
厚生労働省の指針でも、残薬の確認や、お薬手帳を使って服用状況を医師・薬剤師へ伝えることが紹介されています。薬の量や飲み方を家族だけで変更せず、気になる点は医療機関や薬局へ相談しましょう。
3.玄関や廊下に危険がないか見直す
新聞、段ボール、電気コード、めくれたマットなどは、つまずく原因になることがあります。
消費者庁は、高齢者の転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で起きていると注意を呼び掛けています。特に浴室、玄関、階段、ベッド周辺などは丁寧に見ておきたい場所です。
床に物を置かない、暗い場所に照明を足すなど、小さな工夫から始めると負担が少ないでしょう。
4.エアコンを無理なく使えているか確かめる
高齢の方の中には、電気代を気にしてエアコンを控える方もいます。また、リモコンの文字が見えにくかったり、設定方法が分からなくなったりすることもあります。
厚生労働省は、高齢者の熱中症対策として、暑さを避けることや適切にエアコンを使用することを案内しています。室内や夜間でも熱中症は起こるため、夏の帰省時には室温や設定も見ておくと安心です。
5.飲み水と非常食の期限を確認する
災害への備えだけでなく、体調を崩して買い物へ行けないときにも、飲料水やすぐ食べられる食品が役立ちます。
ただし、たくさん置き過ぎると管理しにくくなります。本人が食べ慣れている物を中心に、期限を見ながら入れ替えましょう。
6.カレンダーや予定表を一緒に見る
通院日、薬を受け取る日、ゴミ収集日などが分かりやすく書かれているか確認します。
予定がいくつもの紙に分かれている場合は、大きめのカレンダーにまとめると見やすくなることがあります。
7.緊急連絡先を分かりやすくしておく
家族、かかりつけ医、近くの親族などの連絡先は、電話のそばや冷蔵庫の扉など、本人が見つけやすい場所に置きます。
電話番号が変わっていないかも、帰省した機会に見直しておきましょう。
8.電話やスマートフォンの状態を確かめる
充電器が壊れていないか、着信音が小さ過ぎないか、迷惑電話が増えていないかを見てみます。
操作方法を一度にたくさん説明するより、「電話に出る」「家族へ連絡する」など、よく使う機能から一緒に確認する方が覚えやすいでしょう。
9.掃除やゴミ出しが負担になっていないか様子を見る
以前はきれいだった部屋に物やゴミがたまり始めた場合、体力の低下や体調不良が隠れていることも考えられます。
すぐに注意するのではなく、「重いゴミは大変ではない?」「掃除で困る場所はある?」と聞いてみると、本人の負担を知るきっかけになります。
10.最近困っていることはないか、ゆっくり聞く
「何か困っている?」と聞くだけでは、「大丈夫」と答える方も多いものです。
一緒に食事をしたり、お茶を飲んだりしながら、病院、買い物、近所付き合いなどの話をしてみましょう。急がず話を聞くことで、普段は言いにくかった悩みが出てくる場合があります。
気になることを一度に変えない
帰省すると、危ない場所や不便なことが次々と目に入るかもしれません。
しかし、本人に相談せず家具を動かしたり、物を捨てたりすると、かえって生活しにくくなることがあります。長年続けてきた暮らし方には、本人なりの理由もあります。
まずは転倒につながりそうな物を一つ片付ける、薬の置き場所を一緒に決めるなど、優先度の高いところから少しずつ整える方が続けやすいでしょう。
よくある質問
帰省するたびに10項目すべてを見る必要がありますか?
毎回すべて確認しなくても構いません。
夏はエアコンと水分、冬は暖房と室内の温度、通院後は薬と予定表など、季節や生活状況に合わせて重点を変えると無理なく続けられます。
親が家の中を見られるのを嫌がる場合はどうしますか?
監視されているように感じる方もいます。
「心配だから見せて」ではなく、「冷蔵庫に何がある?一緒に食事を作ろう」「重い物だけ片付けようか」と、日常の会話から始める方法があります。
実家が遠く、頻繁に帰れない場合はどうすればよいですか?
定期的な電話やビデオ通話のほか、近くに住む親族と連絡を取り合う方法もあります。
家族だけで難しい場合は、住んでいる地域の地域包括支援センターなどに相談できることがあります。
まとめ
実家への帰省は、高齢の親の体調だけでなく、普段の暮らしの変化を知る大切な機会です。
冷蔵庫、薬、玄関、エアコン、電話などをさりげなく見ることで、電話だけでは分からなかった困り事に気付ける場合があります。
私も以前は、父に「元気?」と聞くだけで安心していました。今は一緒に食事をしながら冷蔵庫を見たり、薬の残りや浴室の足元を確かめたりしています。
家族の安心だけを優先するのではなく、本人の気持ちや生活習慣を尊重しながら、一つずつ整えていくことが大切です。
次に帰省するときは、まず会話を楽しみ、その中で気になる場所を一緒に見てみてはいかがでしょうか。
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参考資料
内閣府「令和7年版高齢社会白書」
消費者庁「高齢者の転倒事故に注意しましょう」
厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」
厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針」


