年金から何が引かれる?税金・介護保険料・健康保険料と手取りの確認方法

年金の振込額と通知書を確認するシニア女性

「年金額はこれくらいと聞いていたのに、実際に口座へ振り込まれた金額が少ない」

親の年金振込通知書や、年金が入った通帳を見て、そんな疑問を持つことがあります。

私も年金について調べ始めた頃は、「年金額」と「実際の振込額」の違いをよく理解していませんでした。

実際には、条件に該当すると介護保険料や医療保険料、税金などが年金から差し引かれることがあります。

ただし、すべての年金受給者から同じものが、同じ金額だけ引かれるわけではありません。

まず確認したいのは、「年金はいくらのはずだったか」だけではなく、年金振込通知書の「年金支払額」と「控除後振込額」の違いです。

この記事では、年金から何が引かれるのか、手取り額が人によって違う理由、通知書の確認方法を順番に整理します。

年金から引かれるものは主に何?

公的年金からは、条件に応じて次のような保険料や税金が差し引かれることがあります。

種類年金から引かれることがあるもの
介護介護保険料
医療国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料
税金所得税・復興特別所得税、個人住民税・森林環境税

日本年金機構の年金振込通知書にも、これらの項目と、差し引いた後の「控除後振込額」が記載されています。

ここで大切なのは、このすべてが必ず引かれるわけではないということです。

年齢や年金額、所得、加入している医療保険、住んでいる市区町村などによって変わります。

介護保険料は誰でも年金から引かれる?

65歳以上になると介護保険の第1号被保険者となりますが、介護保険料が必ず年金から天引きされるとは限りません。

年金から保険料を差し引く「特別徴収」には、受給している年金の種類や年金額など一定の条件があります。

対象となる場合、市区町村からの依頼に基づいて年金から保険料が徴収されます。

介護保険料そのものも全国一律ではありません。

住んでいる市区町村や本人の所得などによって異なるため、「65歳なら毎月○円」と単純には計算できません。

以前より年金の手取りが減っていて介護保険料の金額が変わっている場合は、市区町村から届いた保険料の通知も確認してみましょう。

国民健康保険料・後期高齢者医療保険料が引かれる場合もある

医療保険についても、条件を満たす場合は国民健康保険料(税)または後期高齢者医療保険料が年金から特別徴収されます。

ここで「75歳になるまでは全員が国民健康保険」と考えないよう注意が必要です。

65~74歳でも、働き方や勤務先などによって加入している医療保険は異なります。

また、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していても、年金からの特別徴収には一定の条件があります。

年金振込通知書では、実際に特別徴収されている場合に「後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)」の欄へ金額が表示されます。

年金から所得税や住民税も引かれることがある

公的年金は、税金の計算上「雑所得」として扱われます。

そのため、年金額や各種控除などの条件によっては、所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。

個人住民税と森林環境税についても、対象となる場合は年金から特別徴収されます。

つまり、

「年金生活になったら税金はかからない」

とも、

「年金を受け取ったら必ず税金が引かれる」

とも言い切れません。

同じくらいの年金を受け取っている人でも、所得や控除などによって税負担が違うことがあります。

年金支払額から控除後振込額までの流れ

年金の手取りはいくら?通知書のここを確認

「結局、自分の年金からいくら引かれているの?」

と思ったら、平均的な金額を調べるよりも、まず自分の年金振込通知書を確認するのが分かりやすい方法です。

日本年金機構の年金振込通知書では、主に次の順番で確認できます。

年金振込通知書で確認したい三つのポイント

① 年金支払額

税金や保険料などを差し引く前の、1回に支払われる年金額です。

② 介護保険料額

年金から特別徴収されている場合、その金額が記載されます。

③ 後期高齢者医療保険料・国民健康保険料(税)

対象者で年金から特別徴収されている場合に表示されます。

④ 所得税額および復興特別所得税額

源泉徴収される税額を確認できます。

⑤ 個人住民税額および森林環境税額

対象となる場合、年金から特別徴収される金額が記載されます。

⑥ 控除後振込額

最終的に口座へ振り込まれる金額です。

「年金が思ったより少ない」と感じたときは、まず年金支払額と控除後振込額を見比べ、その間に何が差し引かれているかを確認すると整理しやすくなります。

去年より年金の手取りが減ったのはなぜ?

年金額そのものが大きく変わっていなくても、実際の振込額が変わることがあります。

介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、個人住民税などの金額は、市区町村が決定し、その依頼に基づいて日本年金機構が年金から特別徴収しています。

そのため、前年の所得や保険料などが変われば、年金から差し引かれる金額が変わることもあります。

通帳の振込額だけを見て「年金そのものが減った」と判断せず、通知書の内訳まで確認してみましょう。

天引き額がおかしいと思ったら、どこに聞けばいい?

問い合わせ先は、確認したい内容によって異なります。

年金額や年金振込通知書そのものについて確認したい場合は、日本年金機構の年金事務所などが相談先になります。

一方、介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、個人住民税・森林環境税の金額については、基本的に住んでいる市区町村の担当窓口へ確認します。

これらの金額を決定しているのは市区町村だからです。

親の年金を一緒に確認する場合も、まず通知書を見ながら「年金額が変わったのか」「天引き額が変わったのか」を分けて考えると、問い合わせ先を判断しやすくなります。

年金や保険料について問い合わせる窓口の違い

よくある質問

年金から引かれる金額は毎月同じですか?

必ずしも同じとは限りません。

保険料や税額などが変われば、控除後の振込額も変わることがあります。

年金額そのものに大きな変化がなくても、保険料や税額の変更によって手取りが変わる場合があります。

年金からの天引きをやめることはできますか?

すべて自由に変更できるわけではありません。

日本年金機構によると、介護保険料、個人住民税・森林環境税については、本人の希望だけで年金からの特別徴収をやめることはできません。

後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)については、市区町村へ相談するよう案内されています。

通帳だけで何が引かれたか分かりますか?

通帳では最終的な振込額は確認できますが、控除の詳しい内訳までは分かりません。

年金振込通知書の「年金支払額」「各控除額」「控除後振込額」を一緒に確認すると、何が差し引かれているのか分かりやすくなります。

年金が少ないと感じたら、まず通知書を確認

「年金が思ったより少ない」と感じたときは、通帳の金額だけで判断せず、年金振込通知書を手元に置いて確認してみてください。

「年金支払額」と「控除後振込額」の間にある項目を見ると、何が差し引かれているのかを追いやすくなります。

金額について分からないところがあれば、年金そのものは年金事務所、保険料や住民税などは市区町村の担当窓口へ確認すると整理しやすいでしょう。

実際の手取りを確認したあとに気になるのが、その金額で毎月の生活費をまかなえるかどうかです。

あわせて読みたい

年金の手取りと生活費を一緒に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

▶「年金だけで生活できる?65歳以上の平均生活費と毎月いくら不足するのかを確認」

今回調べる中で参考にしたもの

・日本年金機構「年金振込通知書」
・日本年金機構「年金からの介護保険料、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、住民税および森林環境税の特別徴収」
・日本年金機構「年金からの介護保険料などの徴収」
・国税庁「公的年金等の課税関係」

※年金から差し引かれる税金や保険料は、年齢、所得、加入している制度、居住する市区町村などによって異なります。実際の金額については、年金振込通知書や市区町村から届く通知を確認してください。

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